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整理技術研究グループ勉強会記録(2001年度)

「メディアの分析的研究」第1回


日時:
2001年4月4日(水) 19:00〜21:20
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
吉田暁史氏(帝塚山学院大)
テキスト:
古川肇『英米目録規則』に関する改訂の動向−一つの展望−『資料組織化研究』43号 p.15-29, 2000.7
出席者:
吉田(帝塚山学院大)、田窪(近畿大学)、前川(堺女子短大)、尾松(奈良県立図書館)、光斎(愛知大学)、蔭山(帝塚山大学図書館)、村井(システムズデザイン)、堀池(京都大学大型計算機センター)

●p.15 はじめに
 整研91年6月例会における今後の課題として6点が指摘されたが、当論文はこれを引継ぎ検討するという形になっている。ただし、(2)(複製が容易になり、複数の媒体に複製される資料が多くなった)と、(6)(媒体変換が容易になり、各種媒体資料が現れてきたが、これらに対し、新たな記述を作るのかどうか)の区別がはっきりしない。
●p.16-17 II.資料種別
 逐次刊行物という概念の見直しが進められている。それは継続資料(continuing material)の出現によるものである。しかし、新たに出現したわけではなく、従来の加除式資料もそれに当たる。モデルB、モデルC、修正モデルCの3案が提示されている。何れのモデルにも単巻か復巻かという区別がある。これは刊行が終結しているか継続であるかという資料の刊行特性とは異なる要素であり、物理的な数量要素に過ぎない。また修正モデルCをさらに修正したモデルがWeb上にあり、これでは終期確定−継続、完結−未完結、分割刊行−統合、という3つの尺度だけが盛り込まれている。少しはましになったが、分割刊行か統合化という区分は、やはり物理的な次元であり、まだまだ資料種別の混乱がみられる。
●p.18 継続資料に関するタイトル変更の扱い
 AACR2では、現行逐次刊行物規則に関して、タイトル変更があったときの規定は、標目の部に記載されている。これはAACR2では基本記入制をとっており、基本記入標目の相違が影響するからである。これに対して、基本記入制をとらないNCRでは記述中にその規定がある。
●p.21-22 multiple versions problem
 AACR2における条項0.24(複数資料種別にまたがる資料の記述基準)の改訂論議。同一テキストがさまざまな物的形態に収録されるとき、それぞれごとに記入を作ることの是非が論議されている。p.22にあるように、CC:DA(Committee on Cataloging: Description and Access)は、表現形を本体とする記録(expression-based record)を提唱している。この表現形という概念は、IFLAによる『書誌的記録の機能要件』から得ているが、p.22の例は、IFLAのレポート自体の産物ではない(発表者の誤解)。
・参考資料:
(1)『図書館界』,Vol.43,No.5,p.234
(2)NCR1987 1994改訂の目次ページ,p.220,
(3) AACR2 1978 の目次ページ,p315-316.
(4) Revising AACR2 to Accommodate Seriality
(Report to the Joint Steering Committee for revision of AACR, April 1999)
URL: http://www.nlc-bnc.ca/jsc/ser-rep4.html