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整理技術研究グループ勉強会記録(2002年度)
「ネットワーク情報資源の組織化」第1回
- 日時:
- 2002年3月25日(月) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 堀池博巳氏(京都大学大型計算機センター)
- テキスト:
- 下記文献の輪読
1.逸村裕 ディジタル情報源の評価『情報の科学と技術』 50巻(5号), 2000, p.266-272
2.鹿島みづき CORCプロジェクトに参加して『情報の科学と技術』 51巻(8号), 2001, p.409-417
- 出席者:
- 吉田(帝塚山学院大)、蔭山(帝塚山大学図書館)、村井、田窪(近畿大学)、河手(大阪樟蔭女子大図書館)、渡邊(神戸大図書館)、堀池(京都大学大型計算機センター)
概 要:
●「ディジタル情報資源の評価」 (逸村裕 著)
2.ネットワーク情報資源の多様化
・デジタル情報資源はパッケージ系や非パッケージ系(ネットワーク系)とも多様な形式で情報提供されてきている
・ネットワーク情報資源の提供形態の転機。1991年CERNでのWWWの提案、1994年Netscapeブラウザの提供,Yahooのサービス開始
・雑誌などの紙媒体提供から電子化版の提供への変化
・一次情報と二次情報の境界がなくなった。Uncover,FirstSearchサービス
3.デジタル情報資源の記述と組織化
★メタデータの必要性でGilliland-Swetlandが述べている(2)のコンテクストの保持とは何を意味しているのか。情報源の元の文脈を保持することではないか。(p.267)
★Burnettらのメタデータの3つの基本機能のうちで「データ管理」とはなにを意味しているのか。原データそのものの管理をいっているのではないか
・CORCのメタデータは自動生成ツールにより,Dublin CoreまたはMARC21のどちらかでデータ入力できる。図書館による分担目録作業とメタデータの共有システム。1999年1月より試験的に開始,現在は本サービス中。データ入力は加盟館のみ。利用はOCLCのFirstSearchなどを契約(有料)
・BUBLはBUBL LINKともいわれ英国の大学図書館が運営。選択したネットワーク情報資源のリストを保有し,主題別に排列されている。
4.デジタル情報資源提供サービスの記述要素調査
・記述要素の確認調査では共通した記述と記述内容に差があることが判明
★デジタル情報資源評価に必要な要素(表2)の意味するところはデジタル情報資源(例えば,電子ジャーナルなどを自館で導入する場合に必要となる評価の項目が上がっている。メタデータの記述要素と評価項目調査とを混同しているととれる内容である
●「CORCプロジェクトに参加して」 (鹿島みづき 著)
1.はじめに
★ Tennantの「デジタル情報を表現するにはメタデータがUSMARCよりすぐれている」とあるが,そうではないだろう。USMARCの中身もメタデータである
・デジタル情報資料を記述するためには3種類のメタデータが必要と定義
1)記述的情報、2)ナビゲートするための構造的情報、3)管理的情報を表現する情報
2.CORCとは?
・OCLCの研究は1991年ころからインターネットのリソースについて研究されていた。メタデータの研究プロジェクトは1999年1月から開始。2000年7月より本サービス。20ヶ国。500館加盟。約18%は米国以外。愛知淑徳大学図書館は日本で唯一参加。2000年1月。
・メタデータの利用はOCLCのFirstSearchを契約する必要がある。
・データの入力形式はDublinCore とMARC21がある。Crosswalk機能があり,データ変換できる。
・入力されたメタデータはOCLCのWorldCatデータベースと同期がとられていて,データはWorldCatデータベースにも反映されている。
★目録規則でOCLCMARCを利用するとあるがMARC21とどのあたりが異なるのかわからない。4月研究例会で名古屋の伊藤さん発表時に尋ねる
・データ入力は自動生成(Harvesting)機能により,URLを入力することで自動的に一定の項目が入力される。Summaryもしくは内容説明も入る。
・MARCで入力する場合はMARCに慣れていないとやはり手間がかかる
3.目録作業に伴う疑問と決定事項
★p.411の3.2 で選定基準と目録基準が述べられているが愛知淑徳大学が選定し入力された場合の選定基準が述べられていない。
5.問題点と今後の課題
★Multiple Creation(p.414)については「同じURLのドメインを持つものを自動検索し,各階層のページに対するメタデータを作成することができる」とあるがイマイチイメージがわからない。
★パスファインダー(主題書誌)の分析がないのが残念である