整理技術研究グループ勉強会記録(2002年度)
「ネットワーク情報資源の組織化」第2回
- 日時:
- 2002年4月22日(月) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
- テキスト:
- 下記文献の輪読
『情報の科学と技術』 Vol.51,No.9,特集=ポータル(2001)
(1)永田治樹 サービス戦略としての図書館ポータル『情報の科学と技術』Vol.51,No.9, p.448-454(2001)
(2)茂松由実子他 ポータル構築ツールと構築事例 『情報の科学と技術』Vol.51,No.9, p.467-472(2001)
- 出席者:
- 吉田(帝塚山学院大)、蔭山(帝塚山大学図書館)、村井、河手(大阪樟蔭女子大図書館)、兼宗(リコー株式会社)、堀池(京都大学学術情報メディアセンター)
● (1)永田治樹 : 「サービス戦略としての図書館ポータル」
★論文の目的は「サービス経営の観点から図書館ポータルを論ずる」
論文全体の印象として経営学的な用語が多く使用されていて,図書館サイドの用語とは離れているので分かりずらい文章であった。
1.1 サービス・プロセスの整合化
・現在の図書館サービスは電子メディアと印刷メディアなどの双方を併せた「ハイブリッド」な状況である
・MIA(MODELS Information Architecture : 「ハイブリッド図書館」の研究モデル)では,情報資料の発見から入手・利用までのシナリオに沿って要件分析を行い,顧客とサービス・プラットフォームをつなぐサービス・ブローカーを提案
・図1の内容と実際の文献のUKOLNのMIAの図と比較すると対応関係が分かりづらい
(MIAの詳しい図はgifファイルになっている)
UKOLNのMIAでは <--> 図1では
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End-user clients <-->
(Web Browser, Z39.50 client etc.)
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Presenter <--> プレゼンテーション:ウエブ・ブラウザ
Coordinator <--> (1)ユーザー・アクセス・レイヤー(情報景観)
Mediator <--> (2)サービス記述レイヤー
Communicator <--> (3)サービス・アクセス・レイヤー
Provider <--> 蔵書目録,Z39.50によるつなぎ,ネットワークCD
電子文書,ILLシステム,ウエブインデックス,
他の資源
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・ブローカは3つのフェーズで構成される(前記の(1),(2),(3)に対応)
(1) 顧客ニーズを把握して,それに応じて提供できるサービス概要を提示
(2) サービス機能と各サービスの情報コンテンツについて記述
(3) 選択されたサービスに従って顧客を個別のサービスプラットフォームに渡す「サービス・アクセス・レイヤー」である
・図書館がインターネット上の情報サービスに対抗するためには
1) 図書館サービスへの利用性に高める
(1) 顧客がニーズを手軽にぶつけられること
(2) 応答性の良さとつながり
2) 図書館サービスの包括性に高める
(1) 図書館は顧客の必要なものを入手できること
2 アンバンドリングと図書館の戦略
2.1 サービスと業務のアンバンドリング
・電子ジャーナルの導入によって以下のようなアンバンドリングが進展した
(1)サービス・・・閲覧と資料提供・複写サービスとのアンバンドリング
===> わかりにくい。電子ジャーナルは所蔵物とはいえない
(2)業務 ・・・コンテンツの管理が出版者にうつることにより雑誌業務の一部外部化
2.2 業務の区分
・製品イノベーション業務は「図書館」にはあるのか。ないのではないか
・顧客リレーション業務は「図書館」のパブリックサービスに相当
・インフラ管理業務は「図書館」のテクニカルなサービスに相当
2.3 図書館の主領域とポータル
・図書館の主たる業務領域として以下のシナリオが考えられる
1) インフラ管理業務を中心とする
2) 顧客リレーション業務を中心とする
==> アマゾン.コムは2通りのサービスを行っている
3 図書館ポータルの枠組み
・「ホームページ」という言葉が気になる。定義がいろいろあり,ここで使用されているのは組織の情報の提供手段となっている。
==> 調査したことがある。大体「37」通りの解釈が行われている
・例に上がっている「MyLibrary」は詳しくみていないがコピーを参照
・図書館ポータルを構成するコンポーネント
1) エントリー領域
顧客認証機能,顧客のプロファイル,セキュリティ管理
2) コンテンツ領域
データベース,電子コレクション,情報コンテンツ,図書館が有するコレクションへのアクセス
天気予報,カレンダーや行事,通知,時刻表,申請のための情報
==> 天気予報などの情報は図書館での情報提供としてはいらないのでないか
<== ポータルとしては利用者要求に合っている。必要情報である
3) サービス機能
発見から入手までの各サービスシステム
レファレンス・サービスや利用支援サービス等のための機能モジュール
コミュニケーション・チャネル
==> ポータルといろいろ述べられてきたが,ここの例で何だ。これかという感じがする。
==> ポータルのポータルが必要ではないか
==> Yahooなどポータルではない。単に情報をディレクトリ化している
==> ポータルかコンテンツの充実かという選択であるような気もする
==> 個人が必要な情報を入手するまでの手だてはこれでできるのか
==> 対象とする図書館は明確になっているのか
例えば,公共図書館は年齢層や求めるものも大きく異なる
大学図書館は対象も公共図書館よりは明確である
==> ポータルというと図書館でけでなく,博物館,美術館などもある
==> アマゾン.コムではレビューが利用可能で,利用者にレビューが役立ったかどうかを調査している
★ ハイブリッド図書館について著者にもう少し追求して欲しかった。
●(2) 茂松由実子他 : 「ポータル構築ツールと構築事例」
・ポータル構築のためのツールの紹介
(1) 会員登録
(2) ストリーミング(F-Stream):マルチメディアコンテンツの配信
(3) 決済(iREGi): クレジット番号などを入力することなく決済できるサービス
(4) 検索サービス: ロボット技術と検索技術を利用して,特定の目的を持った利用者に特定分野の情報を収集してシームレスに検索できる仕組み
(5)コンテンツ管理: 編集テンプレートを利用してリアルタイムに最新情報を利用者に提供することを支援
・事例1(JapanKnowledge(ナレッジピープル支援WEBサイト))
(1) レファレンスコンテンツ:厳選されたホームページの検索
==> 誰が厳選するのか
・事例2(bk1)
・ページのコピーを参照して参加者一同,そのページ構成にうなづく
(1) コンテンツ管理で「書評」があるが誰が書いた書評なのか
==> コンテンツ利用者などの登録した人。作成者のリンクが付く
(責任表示みたいもの)