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整理技術研究グループ勉強会記録(2002年度)

「ネットワーク情報資源の組織化」第5回


日時:
2002年6月19日(水) 19:15〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
尾松謙一氏
テキスト:
伊藤民雄 ウエブ情報の検索:情報源の効率的な探索 『情報管理』Vol.44, No.9, pp.629-640,(2001)
出席者:
吉田(帝塚山学院大)、蔭山(帝塚山大学図書館)、尾松(奈良県立図書館)、安田(帝塚山大学図書館)、堀池(京大学術情報メディアセンター)

● 今回は検索エンジンの考察,サブジェクトゲートウエイの概要と意義,Web情報をも活用したサービス形態でのデジタルレファレンスの検討などを多くの資料をまじえて学習・報告して頂きました。
● 2.検索エンジンによる検索。p.630 では
・ディレクトリ型(人による分類)の欠点を補うために,Open Directory Project(ODP)ではボランティアの力によって解決しようとしている。ボランティア数は3万9,000人。質の高い情報資源,ウエブサイトだけを登録目標にしている。ODPのサイト情報は「利用可」となっている。Lycos, googleなどもこのサイトの情報を利用している模様。
● 2.4のロボット型検索エンジンの仕組み。p.630では
・検索結果がページ単位に管理されているが,単語のページ内出現位置情報はどこまで管理されているのだろうか。
 => 詳細はわからない。
● 2.6の「人気度」を重視し出したロボット型。p.631では
・「Page Rank」手法は1960年代に経済学関係でかつて利用されていたが忘れられた手法となっていた。活用されなかった理由はこれが「登録商標」となっていて押さえられていたためである。
・適合度の技術の「テキストマッチ技術」とは何か。
 => 詳細はわからない。後で調べました結果,「キーワード一致」ということでした。
● 2.7のインターネットのインデックス化。p.631では
・googleが現在約15億ページをインデックス化している。バックエンドサーバは約8,000台のLinuxサーバが稼働して,一日当たり約1憶回の検索要求に応える処理能力を持っている。
・図書館がインターネットの情報資源から何らかの情報収集,整理などの組織化を考えた場合,検索エンジンの利用が不可欠。
● 2.8の第三世代の検索エンジン。p.632では
・第三世代とは第一 + 第二世代を複数の検索エンジンを同時に使うメタサーチエンジンの一種と「Wakano」(韓国企業)が自称している。内容は自社のDBを持たず,他社DBにアクセスし,検索結果を表示する検索エンジン(?)。他社からは不当利用の訴えがない模様。
● 3 学術情報資源へのアプローチ。p.632では
・大学,研究機関,学術出版社,図書館などのWeb情報の利用には現在の検索エンジンでは物足りない。
● 3.3 何を記述するか。p.633では
・多彩な検索を可能にするためには何を「記述」するのか。
 => 項目などはDCの15項目あたりなのか。
● 3.6 欧米のサブジェクト・ゲートウエイ。p.634では
・分野協力による分類や共同作成レベルによる分類が紹介されている。もう少し,各プロジェクトごとに調べて見ないといけない。
・特に ROADS, DESIRE など。
・全体の動きを整理する必要がある。
・Imesh(サブジェクトゲートウエイ間の構築コンセンサスと共同分担作成のためのスキル・技術支援を目的とした国際的な共同体・連合体の組織)の今後の動向を把握する必要があるのではないか。
 => 日本ではサブジェクトゲートウエイ間(これ自体が少ないが)の共同体を形成する動きはない。
● 4 デジタル・レファレンス。p.635では
・デジタル・レファレンスとは機械が行うエキスパートシステムも含むが,デジタル環境下で行われる,デジタル時代のレファレンスのことである。
・Web情報の探索とデジタル・レファレンスとの結び付きの関係はどういう観点で取り上げられているのだろうか。
 => 図書館蔵書 + Web情報を駆使してレファレンスを行うので総合目録的な利用の観点から取り上げられているのではないか。
・米では商業Q&Aが出現している。
・日本ではOK WebとAll About Japanの2つがある。無料。
・日本の公共図書館でも電子メールでのレファレンスが増えてきている。質問の入力書式を用意している図書館もある(都立図書館など)
● 5 終りに。p.638では
・ロボット型検索エンジンで富士通研究所が昨年開発したシステムについては資料を収集中。概要は億単位のWebサイトを自動収集・分類する技術があるという優れ物(?)。分類は地域・ジャンルとなっている。