整理技術研究グループ勉強会記録(2002年度)
「ネットワーク情報資源の組織化」第7回
- 日時:
- 2002年7月25日(木) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
- テキスト:
- 齋藤絵理、小野寺夏生 Web上の学術情報資源におけるメタデータの利用『情報管理』 Vol.44, No.3, pp.174-183,(2001)
- 出席者:
- 吉田(帝塚山学院大)、田窪(近畿大学)、蔭山(帝塚山大学図書館)、尾松(奈良県立図書館)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)、前川(堺女子短期大学)、堀池(京大学術情報メディアセンター)
●Web上の学術情報におけるメタデータの利用として「Subject Gateway」があり,どのような機関が開発・維持しているのか。また,情報提供にはどのようなメタデータが使用されているのか を海外の例で調査されたものを分析報告された文献である。
●2.の「Subject Gateway」の中でも高い品質基準や高度な検索とブラウジングを可能としたものを「QCSG(Quality Controlled Subject Gateway)」と呼ぶと提起されている。また,QCSGの選択基準としてKochが7つの基準を定義,Kirriemuirがさらに2つ追加し,9つの選択基準を定義している。
●サブジェクトゲートウエイ(subject gateway)とは何か?
アクセス可能な情報源へリンクするいわゆる『ナビゲーション機能』を提供するサービス」である。
●Subjectと「主題」とすれば,その分類に「General」があるのはおかしい?
==> Subject Gatewayではなく,Information Gateway であれば,まだ,納得。
●Kochの定義部分「情報源をメタデータで表現し,主にインタネットで」で,ここの『主に』はなにをさしているのか。
==> インターネット上でアクセス可能な情報源である。
●QCSGの定義部分で「豊かな記述と構造を持つ主題サービス」とあるが,この記述と構造は何か?これらの用語は著者から注釈があっていいものである。
==> 記述は内形式でデータそのものをさしている。構造は外形式をさしている。
●IAFA template とは何か? 有名な言葉なのかどうか?
==> 学習会の最初のテキストであった,永田治樹さんの目録とメタデータの個所 でも出現した用語である。Internet Anonymous FTP Archives(IAFA)ですね。
==> インターネット上でいろいろ情報をやりとりする際に,定型的な規格(プロトコル)で情報のやりとりを行うことが重要で,WHOIS,WHOIS++などネットワーク上で人物のメールアドレスや電話番号,所属,名前などの項目を設定し,情報をやりとりするプロトコルにも影響を与えている。
●3.1のQCSGのuality resource discovery system の選択基準の提起においてKirriemuirが独自に提起した2つのうち,「内容の全部または一部が英語であること」と追加しているがおかしい。英語でないと高品質でないという定義は英語以外は高品質でないとなる。
●4.1のQCSGの開発機関の性格で個人主体の開発が多くとあるが,個人レベルで作成するものに,多くの高品質なサブジェクトゲートウエイが作成できるとは考えにくいのではないか? 不思議である。
●4.4の標準化への取り組みの「標準化に対する考え方」でLisbeth Erikson (NOVAGate)のクロスサーチ,クロスブラウジングの可能性とあるが,検索においては自然語,統制語の相互に装備されているのか。また,項目の表示順位なども同じ扱いでないと混乱する。
●同 Colm Doyle(EELS)の「標準化への固執は相互運用性を探求するための本質的要素である」とあるが,この相互運用性とは具体的には何か?項目値,その書き方も同じようになっているべきである。
● 博物館ではクロスウォーク(Crosswalk)作成をやめた。ISO登録された(る?)CRMというオントロジー(知識)を基準に作成している。シソーラスより単純ではない。また,FRBRとCRMの対応表を作成。
● 本文献では最後に調査結果のまとめとして結論めいたことが記されていない。