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整理技術研究グループ勉強会記録(2003年度)

「最近における目録規則改訂動向」第2回


日時:
2003年4月18日(金) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
川崎秀子氏(佛教大学)
テキスト:
古川肇「『英米目録規則 第2版2002年版』の二つの章』」『資料組織化研究』, no.47, pp.15-24, (2003)
出席者:
川崎(仏教大学)、吉田(帝塚山学院大)、田窪(近畿大学)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)、蔭山(帝塚山大学図書館)、安威(梅花女子大学図書館)、村井(京都精華大学情報館)、尾松(奈良県立図書館)、前川(堺女子短期大学)

I. 新第9章 電子資料
1.改訂全般
(1) 章名 Computer File(s) → Electronic Resource(s)
(2) 範囲 ダイレクト(ローカル)アクセスとリモートアクセス
(3) 情報源 記述対象それ自身の公式表示から選択
(4) 第2エリア リモート型電子資料の版表示の復活?
(5) 第3エリア[資料特性エリア]
・名称の変更…File Characteristics Area → Type and Extend of Resource Area
★AACR2を通じての名称ではなく章によって名称が異なる
・電子的内容記述…computer → electoronicで始まる精粗3つのレベル
(6) 第4エリア
 リモートアクセス可能資料は刊行物
(7) 第5エリア
 数量を6種類の語から選択。リモートアクセス型資料は記録不要
(8) 第7エリア [注記]
・システム要件とアクセス方法に関する注記をタイトル責任表示注記の前に記述
・本タイトルの情報源は必ず注記
・リモートアクセスした資料については、必ず記述した日付を記述
・導入語("Welcom to"など)は、次の語以降より本タイトルとして採用

2. ISBD(ER)からの乖離
LCの批判
 | 1) 第3エリアの削除か少なくともオプション化
 | 2) リモートアクセス型電子資料の形態を記録しない規定の見直し
 | 3) 電子資料をすべて刊行物扱いすることへの疑問
 |  ★電子資料を全て刊行物扱いすることとしないことの違いは何か?
 |   ●LCが疑問としているところが分からない。
 |   ●「publication」の訳ではないか。
 ↓
IFLAによるISBD(ER)の改訂案
 1) 情報源…リモートアクセス型電子資料に限り内部情報源から記述対象全体に変更
   →資料における情報の表現が多様で必ずしも慣行にしたがわないため
 2) 第3エリアの削除
   →第3エリア全体の削除には問題あり。
    LAのISBD改訂グルーブの徹底不備(資料種別固有)
 3) リモートアクセス型電子資料に関する記述、規定の修正・オプション化
 4) 標準番号の記録。ISBD・ISSNにとどまらず、URN・DOIなどの記録。

II.新第12章 継続資料
1. 改訂全般
1) 定義
[Hironsの区分]
 bibliographic resources ┬ finite resources ――┬ monograph
                |              └ finite integrating resources
                └ countinuing resource ┬ serials
                                └ continuing integrating resource

※continuing resource(継続資料)…終期未確定で時間をかけて発行
※integrating resource(更新資料)…更新によって追加が変化がある。全体として統合されている
2) 範囲
継続資料に含まれるもの
(1) finite integrating resources
(2) 終期確定以外は逐次刊行物の要件を満たすもの
(3) 逐次刊行物の復刻
3) 情報源
・情報の基盤に関する規定(0B1)+主情報源(0B2)+規定の情報源(0B3)
・更新資料の記術の基盤…一般に最新の段階
4) 個々のエリアにおける改訂
(1) 第1エリア
・継続資料の本タイトルの誤表記は訂正し記録(1B1)
・主情報源に完全形と略語形がある場合は完全形を採用(1B2)
・逐次刊行物のタイトル関連情報(1E1a)
 (1)主情報源に完全形と略語形がある場合略語けいはタイトル関連情報
 (2)不可分に含まれる責任表示や出版者は全体を記録する(1B2)
 (3)本タイトルが団体や会議の名称のみの場合本タイトルの言語で補う
(2) 第3エリア
 numbering areaに名称変更。更新資料には適用されない。
(3) 第7エリア
・.1…当該資料を初めて記述する大に使用する注記
・.2…変化に関する注記
・タイトルに通称の概念が追加
・時系列関係が最初に置かれる
・内容の要約に関する注記の新設(1B18) ←従来の注記とは異なる
 ★この注記は3層構造を持つ。しかし、MARCと対応するように再構成する必要がある。

★「ISSNが更新資料にも付与される情勢」(p.29 15行目)

 ●ISSNを更新資料に付与する。
 ●ISSNを策定する委員とAACR2の策定する委員を兼ねている人が多いので、AACR2とISSNとは類似点が多い。ISSNがAACR2にひっぱられているところもある。

2. 更新資料に関する条項
・逐次刊行物、更新資料の規定とが共存する場合には、
 a)serials(逐次刊行物):逐次刊行物に関するエリア
 b)Integrating resource(更新資料):このエリアは一般的に適用しない。
            (12.3A1 Appricability(適用可能性)

3. 変化に関する事項
1) 第21章
・「21.2 本タイトルの変化」
 基本方針は決められていないが、新記入作成の要件としてA1大きな変化記入を作成、
 A2小さな変化を増やすことによって手間を減らす。具体的な定義を策定
★「C1. a)逐次刊行物 b)更新資料」(p.21 26〜28行目」
 ●continuning resourceを2つに分解しているのはなぜか?
 ●明確に分離することができなかったのではないだろうか。
★「ISSNとの統一を意図して新記入を作ることを減らす」(p.21 最終行)
 ●最新情報に基づいた方が実務的に分かりやすい。
 ・「21.3 著作に責任を有する個人または団体の変化」
  版表示の変化や物的形態の変更を示す場合は新しい記入を作成する。
  順序表示のみの場合は新しい記入はおこさない。

★Websiteは第9章と第12章のどちらで記入すべきか?
 ●"updating website"は第9章、"non-updating website"は第12章で記入する?
 ●例えば「Webに公開されている地図」はどの章に基づいて記入するのか?
 ●全体的な章だての見なおし・変更が必要だと思われる。