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整理技術研究グループ勉強会記録(2003年度)

「最近における目録規則改訂動向」第6回


日時:
2003年7月11日(金) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
尾松謙一氏(奈良県立図書館)
テキスト:
"ISBD(ER) and Its Role in the Management of Electronic Resources" / Sten Hedberg. Serials Librarian, 2002, vol. 41, no. 3/4, pp. 45-56
 (http://www.public.iastate.edu/~gerrymck/SLv41n3-4.pdf)
出席者:
渡邊(神戸大学附属図書館)、吉田(帝塚山学院大)、安威(梅花女子大学図書館)、蔭山(帝塚山大学図書館)、尾松(奈良県立図書館)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

○Outstanding issues: sources of informatio, versions
技術の発展に伴いISBDに追加された変更
 情報源の選択に関する変更
 記述の優先部分・・・タイトル(エリア1)だけ
           →タイトルだけでなく付属資料等にある情報も重要
 必須のNote・・・タイトルエリアで使われた情報源とタイトルエリアの異なる版エリアの表示
版の取り扱い
 第2エリア(版)・・・複数の版があるモノグラフ資料を版ごとに別々に記述する時に役立つ
 フォーマットによる違いは新しい版とみなさない ← 重要な判断
 複数の物理的媒体の記述・・・第5エリアで繰り返すことができる
  例) 1 electornic optiocal disc ; 12 cm
    1 videodisc ; 30 cm
   ★ISBD本文の例では以下の例が含まれている。
    1 electronic optical disc, 3 electronic disks, 1 user guide
    "kit"であるように見えるので、間違えやすい。
    FRBRの影響があるのではないだろうか? ← Expression レベルでの記述
注記エリアで繰り返される版の情報や物理的記述の繰り返しはシステム要件の注記の繰り返しも必要

○The present status
電子資源の記述に必要なガイドライン
・情報の電子的特徴が早い段階であらわれる
・タイトルや他のエレメントはアクセス可能な情報から記録する
・注記エリアは補足的情報をあらわし、より重要な注記は必須であり最初にある。
より重要な制約事項
・許可される唯一のGMD・・・"Erectronic resource"(適応するならば)
・リモートアクセス資料の色や音に関する情報が簡単に入手できない
 ★3,5エリアに混乱が見られる。
 ★音や色は内部情報だから第5エリアに記述←→リモートアクセス資料は第5エリアを記述しない

○Changens in the environment
図書館の環境の変化 → ISBDの役割や範囲の変化 ← FRBR,MARCフォーマット,AACR,メタデータが促進
MARC(MARC21など)
 コードタグ006・・・情報源の電子特性をくり返し記述可能なタグ
AACR2
 著しく保守的・・・1990年のISBD(CR)の電子記述の基づく(AACR2 1998年版)
 電子テキストの記述・・・本タイトルの後にGMD"computer file"を含む←変な状況
  MARC21の書誌レコードでは著作の電子フォーマットに同様の強調を与えるのに失敗
 新たなAACR改訂作業
  電子資料の第3エリアに疑問、注記エリアへ記述することを提言
  (理由)単なる分野のカテゴリに等しいものとして記述されているかのよう
メタデータ (DCMIなど)
 簡単な入力と柔軟な出力
 熟練した目録作成者の実務に依存

○Implications
一般的な構造
 AACR2の規則0.24は言換えるべき
 FRBRによって構築された論理的モデルを採用すべき
 変化の例
  AACR2 1.1C1の混乱・・・workの語とexpressionの語、manifestationの語とitemの語
             ←整理する必要がある
 括弧でmanifestaionの語を付与できる"General work designation(GWD)"はとりあえずの解決策 (例 [楽譜 (点字)])
 複数のISBDを参照する場合のAACR2 0.23の指示
 「第1部の1つの章又はいくつかの章を用いなさい。例えば逐次刊行物で音声記録物を記述する場合は、1章、6章、12章2を参照すること」
 これをわかりやすくすることが新しいAACRの課題
横断的な検索の記述
 MARC21での"electronic resource"の定義の変化→表示目的のための目録のコードとし認められる必要がある。
 電子フォーマット中にあるテキストのexpressionやmanifestaion
  →利用者の利用選択の記述のより前に明確に表示すべき
  ←expressionやmanifestaionの情報を記述する第3エリアを省くと利用者は混乱する。
  ←解決法・・・GWDと第3エリアで情報の重複させる
         GWDを記述する位置を変えない
逐次刊行物
 第3エリア"Electronic journal"・・・利用者にとって有益な情報
  レコード中にインターネットアドレスなどがあることが予想できる
 同一のタイトルの紙媒体と電子媒体が並列して存在する場合
 ・同じレコードで両方を記述することを選択する
 ・別々に2つの版を記述することも可能
 →ER指向の技術が好まれる

○The future
"fixed format era"・・・目録作成者はカードや冊子体の書誌をも持っている時代
固定フォーマットに対する信頼性・・・ISBDの区切り記号法がMARCフォーマットにマッピングできるとされつづける限り容認されてきた
新たなMARCフォーマット(MARC21など)・・・これまでの区切り記号法が時代遅れであることを示す。
ISBDの役割・・・記述フォーマットをデザインする
       (情報要素、順序、区切り記号法の選択に関するガイドライン)
       →理解しやすさの向上
目録作業の方向・・・表現の提供する規則の改訂ではなく、リレーショナルやオブジェクト指向のコンピュータプログラムを用いて質の高いデータの入力を促進している