整理技術研究グループ勉強会記録(2003年度)
「最近における目録規則改訂動向」第7回
- 日時:
- 2003年8月1日(金) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
- テキスト:
- ISBD(CR) 〈http://www.public.iastate.edu/~gerrymck/SLv41n3-4.pdf〉
"0.1 Scope, purpose and use"
"0.5 Sources of infromation"
"0.12 Changes requiring a new description"
"0.13 Changes not requiring a new description"
- 出席者:
- 渡邊(神戸大学附属図書館)、吉田(帝塚山学院大)、安威(梅花女子大学図書館)、蔭山(帝塚山大学図書館)、尾松(奈良県立図書館)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)
ISBD(CR):Preliminary notes
0.1 Scope, Purpose and use
0.1.1 Scope
★"The International Standard Bibliograhic Description for Serials and Other Continuing Resources"の"Other Continuging Resources"とは何をさすのものか?
★ "Other Continuging Resources"ではなく"integreating resources"とすべきではないか。
★"integrating resources"ではない"Continuing Resource"はあるのだろうか?
目的・書誌的資源の記述や識別のための要件を設定
・記述要素の順序の設定
・記述のための記号法の設定
対象・・・国家的な書誌作成機関の作成する書誌レコードと他の目録作成機関の書誌レコード
電子形態の目録と印刷形態の目録
継続資料(Continuing resource) = 逐次刊行物(serial) + 更新資料(ongoing integrating resources)
逐次刊行物・・・逐次刊行物が一連の巻号で出版される
更新資料・・・逐次刊行物の特徴を持つ資料、期間が限定されている資料
逐次刊行物の復刻版、非更新資料(Webサイトのようなもの)
★「逐次刊行物の復刻版」が含まれている←「中止になった逐次刊行物」を指し示しているつもり。
「逐次刊行物の復刻版」は、ここではなくほかの所で持ち出すべきではない。
それぞれのISBDは、資源のタイプに対する規定であるが、どんなISBDも排他的ではない。記述対象の資源が他のISBDで記述されている特徴を持つとき、ユーザはいくつかのISBDを参照する必要がある。
(例)逐次刊行地図(serial map)の場合・・・エリア3はISBD(CM)とISBD(CR)の組み合わせで記述
★WebサイトはISBD(ER)を最初に参照して次にISBD(CR)を参照するということになる。
0.1.2 Purpose
世界的な互換性を持つ目録規則の規定を提供すること
(a)異なる資源からの交換可能なレコードの作成
→ある国で作成されたレコードが他の国の図書目録や書誌的リストに容易に受け入れられる。
(b)言葉の壁を越えたレコードの理解を支援
→ある言語の利用者が他の言語の利用者のために作成されたレコードを理解する
(c)書誌レコードの電子的形態への変換を支援
0.1.3 Use
異なる書誌的な活動で必要とされる記述を最大限カバーする規定を提供
→複数の書誌的な活動にとって必要な要素を含む
必須要素(エレメント)・・・"is given"や"are given"という表現
準必須要素(エレメント)・・・必要な状況の表現と"is given"や"are given"という表現
=状況が適応できないときはオプション
オプションの要素(エレメント)・・・"optional"や"may"という語を使って表現
←目録作成者の判断によって採用不採用決められる。
対象外のエレメント
・特定のコレクションに関連するエレメント(資料の位置や所蔵情報など)
・本タイトルの変化による参照や全国書誌のコードを必要とする参照
0.1.3.1 Relationship between ISBD(CR) and ISSN
ISSN・・・継続資料を識別することが目的←ISBD(CR)とは異なる
ISBD(CR)レコードのエレメントとISSNレコードのエレメントの間には互換性がある。
★ISSNはISBD(S)からISBD(CR)に移ったことに影響を受けている。
どのような影響を受けているかは不明。
★「ISSNは識別することが目的でISBD(CR)は記述が目的である」とあるのは
何のためか?
★「serials」と「continuging resources」は規程を分けた方が良いのではないか。
0.5 Source of information
0.5.1 記述の基盤
0.5.1.1 逐次刊行物
記述の基基盤・・・最初の号または(欠けていれば)もっとも早い号
エリア 記述の基盤
1.標題と責任表示 初号またはもっとも早い号
2.版 初号またはもっとも早い号
3.号数 それぞれの系統または順序の初号と最終号
4.出版者、頒布者など
出版地と出版者など 初号またはもっとも早い号
出版地と作成者など 初号またはもっとも早い号
日付 初号または(と)最終号
5.形態的記述 全ての号
6.シリーズ 全ての号
7.注記 全ての号と他の全ての情報源
8.標準番号と入手 全ての号と他の全ての情報源
0.5.1.2 更新資料(integreting resources)
記述の基盤・・・更新資料資料の最新状態
エリア 記述の基礎
1.標題と責任表示 最新状態
2.版 最新状態
3.資料種別 用いない
4.出版者、頒布者など
出版地と出版者など 最新状態
出版地と作成者など 最新状態
日付 最初または(と)最新状態
5.形態的記述 最新状態
6.シリーズ 最新状態
7.注記 全ての状態と他の全ての情報源
8.標準番号と入手 全ての状態と他の全ての情報源
0.5.2 印刷資料の主な情報源
主な情報源・・・標題紙や標題紙代替部分
標題紙代替部分とできるもの
A.分出標題紙(analytical title page)、カバー、見出し、発行人欄、監修ページ、奥付
B.他の前付けや本文の上下(ランニングタイトルのようなもの)や帯に見られる情報
C.継続資料の残りの部分(序文、はしがき、目次、本文、付録など)
D.継続資料の外側から参照できる情報源(例えば、書誌や出版リスト)
非ローマ字継続資料の場合・・・全ての書誌的詳細が奥付で与えられている
標題紙とならない場合
A. 本タイトルが略標題紙=本タイトルが略標題
B. 本タイトルの文字が達筆な文字
C.タイトルと出版の詳細が西洋語の訳でしかないとき
標題紙代替部分でもっとも優先すべきは奥付である。
★すべての資料についてすべての書誌的詳細が奥付で入手できるのだろうか?
0.5.3 非印刷資料の主な情報源
各ISBDで規定されている。
0.5.4 所定の情報源
継続資料の巻号の記述に用いる情報は、指定された選択順序で情報源から採用する。
媒体が特別なカテゴリーに属する継続資料は、規定された情報源を考慮すべきである
(例えば、serial sound recordingはISBD(NBM)を調べる)。
ダイレクトアクセス電子的逐次刊行物については、キャリアーやラベルを用いる。
★"pychical carrier"と"pychical media"とはここでは同じ意味で使われている。
エリア1や2のデータ要素が異なる情報源にある場合(標題紙+カバー、カバー+奥付など)
→情報源の優先順序に従って選択し、そのままの形で転記
エリア3,4,6では、多様な情報源が規定されている。→"規定された情報源"の組合わせ
情報源のデータ要素が異なる情報源にある場合
→情報源の優先順序に従って選択し、そのままの形で転記
エリアで優先すべき情報源以外の情報源から採用した情報→[]で括る
標題紙代替部分に関連する括弧で括られた情報
・・・標題紙を持つ継続資料の括弧で括られた情報と同じ
(その情報は、エリア7で記述される。)
特別規定は、ISBD(CR)の適切なセクションで規定されている。
★ここで扱うものはルーズリーフなどの印刷媒体の継続資料が対象となり
WebサイトなどはISBD(ER)で規定されている。
エリア 情報の基礎
1.タイトルと責任表示 標題紙
2.版 標題紙、他の前付け、奥付
3.巻号数 継続資料全体、全国書誌
4.出版社、頒布者など 継続資料全体
5.形態 継続資料全体
6.シリーズ名 シリーズの標題紙、分出した標題紙、カバー
見出し、発行人欄、監修ページ、奥付
継続資料の残りの部分
7注記 全ての情報源
8.標準番号と入手条件 全ての情報源
0.12 Changes requiring a new description
0.12.1 逐次刊行物の本タイトルの大きな変化
新しい記述は、本タイトル中の大きな変化がある場合に行われる。
・タイトルの最初の5語での追加や削除、変更、並び替え
(タイトルが冠詞ではじまる場合は6語)
・タイトルの最後の5語での追加や削除、変更、並び替えとタイトルの意味的変化か語の変化による主題の変化
・タイトル中の団体名の変更
・本タイトルが一般的な語でかつ発行者名が変更されるか異なる発行者が出版している場合
0.12.2 他の部分での大きな変化
・版表示の変化と領域や対象範囲の大幅な変化
★AACR2やISSNとは異なる
・形態的媒体の変更
・従属タイトルの独立
・統合された逐次刊行物が同じ言語で同じタイトルを持ちかつ内容が著しく異なる場合
・2つ以上の逐次刊行物が1つに統合された場合
・1つの逐次刊行物が2つ以上に分けられた場合
0.12.3 更新資料における大きな変化
・版表示と変化と領域や対象範囲の大幅な変変化
・形態的媒体の変化
・2つ以上の資料が1つに統合された場合
・1つの資料が2つ以上に分けられた場合
0.13 Changes not requiring a new description
0.13.1 逐次刊行物の本タイトルにおける小さな変化
小さな変化が本タイトル中でおこった場合、変化後のタイトルは注記に記述される。
★細かく規程すべきなのか?0.12以外はminorな変化なのだから。
・語の表現の変化
綴り、記号と単語("&"と"and")、数字とローマ数字、数値の数字と単語
ハイフンがついている語とついていない語、
1語表現と2語表現("Openhouse"と"Open house")
・省略形と完全形
★この変化は西洋人にとってたいした変化ではない。昔は大きな変化だった。
・語尾の変化
・冠詞、前置詞、接続詞の追加や削除、変更
・同じ団体の階層などの変化
(例、団体名の追加や削除、再配置または省略を含む異体形への置き換え)
・区切り記号の追加や削除、変更
・(並列)タイトルが複数の言語である場合の順番の変化
・号数と結びついているタイトル中の語の追加や削除、変更
・2つ以上の本タイトルが一定のパターンで異なる出版で使われている場合
・主題に大きな変更を与えない語の追加、削除、順序の変更
・ "magazine""journal""newsletter"などのような資料タイプを表わす語の追加や削除
・よくわからない場合(タイトルが変更していないと思う場合)
★ISBD(S)では0.12がほとんどで、0.13の規程はあまりこまかく決められていなかった。
0.13.2 更新資料のちいさな変化
0.12.3.1や0.12.3.2以外での同じ更新資料の記述の如何なる変化も新たな記述をしない。代わりに、
記述を新たな情報を反映したものに変える。
★ISSNとISBD(CR)との連動が必要。
★ISSNが同じで異なる記述が起こされる可能性はある。
★なるべく小さな変化では新たな記述をおこさないようにしようとする方針が見える。