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整理技術研究グループ勉強会記録(2003年度)

「最近における目録規則改訂動向」第10回


日時:
2003年9月12日(金) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
吉田暁史氏(帝塚山学院大学)
テキスト:
ISBD(CR) 〈http://www.public.iastate.edu/~gerrymck/SLv41n3-4.pdf〉
 "5 Physical description area"〜"8 Standard number"
出席者:
吉田(帝塚山学院大)、田窪(近畿大学)、蔭山(帝塚山大学図書館)、川崎(仏教大学)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

1. 第5章(形態的記述エリア)
 ISBD(S)と比べ特に大きな変化はない。
5.1 SMDの表現方法規定は、印刷逐次、更新ルーズリーフ、非印刷継続資料の三本だてとなっている。前2者は印刷資料→ISBD(M)を参考。非印刷資料は、各ISBDを参考にせよ。
★「「Webサイト=リモートアクセス資料」なのでSMDは記述しない。」ということは記載されていない。
 ISBD(M)は「単行資料」一般という名称が与えら屡画、内実は印刷資料のみに限定。
 ISBD(CR)は継続資料一般を扱うが、印刷形態に関しては、基本的にISBD(CR)のみを参照すればよいように仕組まれている。
 なお、AACR2でも同様の定めだが、規定方法がすっきりしている。

2. 第6章(シリーズエリア)
 ISBD(S)あるいは、従来のISBDと大きな変更はない。ただし、ISBD(S)では、7.1〜7.6がシリーズ、7.7〜7.12がサブシリーズと分かれていたが、7.1〜7.6と一本化し、これを繰り返して表現することになった。ISBD(M)では3段階以上も表現できるが、CRの場合この明記はない。

3. 第7章(注記エリア)
 第6章までの規定を受けて作られている。注記エリア独自の注目点はない。
(1)Introductory noteで、"monographic resources"という表現が使われている。これは初めて見た。
 ISBDでは、"monographic publication"と表現している(用語定義にもある)。
 AACR2では"monographs"。
★"monographic resources"は"continuing resources"という表現とのバランスをとるために用いられている表現だと思われる。表現について混乱が見られる。
(2) 「7.0 Frequency statement」の規定は、「逐次刊行物」と「更新資料を一本化して意味のあるめずらしい例。特に両者を分けることなく規定の表現ができる。
★"Frequency statement"を訳すとどういう日本語になるのか?(刊行頻度注記/変更頻度?)
(3) 本タイトル変更の扱い
 逐次刊行物 変更があれば、新しい記述を作成する。
 更新資料  変更があっても新しい記述を作成せず、本タイトルを最新のものに改める。
 電子逐次刊行物 旧タイトルをひっくるめて更新した場合は、更新資料と同様に扱う。
        ★電子逐次刊行物の本タイトル変更の扱いは結論が出ていなかったはず。
 以上3本だてとなっているが、AACR2では電子ジャーナルの規定は存在しない。
 ★基本的に前出の部分の記述形式を決定している。

4. 第8章(標準番号エリア)
8.1 標準番号(代替物)
8.2 キータイトル
8.3 利用条件
8.4 資格・条件
 標準番号は、ISBD(S)のときは、ISSNだけであったが、継続資料になって、ISSNのほかにもありうることになる。例としては、ISBN(もあがっている(実際上ルーズリーフ例しかなさそう)。またキータイトルに関しては、「継続資料」に対して与えられるのかのごとくの表現がある。
★標準番号として、ISSN、ISBDのほかにDOIなども考えられるが、国際的な標準となっていないためにここでは取り上げられていないのでないか。
★キータイトルとISSNが対応しない場合がある。
 "ISSN and Seriality / by Regina R. Reynolds. May. 1998"によれば、ISSNを付与する対象として、更新資料を含めるかどうかといった議論がある。