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整理技術研究グループ勉強会記録(2003年度)

「最近における目録規則改訂動向」第12回


日時:
2003年11月7日(金) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
渡邊隆弘氏(神戸大学附属図書館)
テキスト:
『日本目録規則1987年版改訂版』第13章検討のポイント『図書館雑誌』2002年2月号 p.132-133
(http://www.jla.or.jp/mokuroku/13point.html)
『日本目録規則1987年版改訂2版』第2章および第3章の和古書・漢籍関連条項の改訂について. 『図書館雑誌』2003年9月号 p.674-675
(http://www.jla.or.jp/mokuroku/2-3point.html)
参考テキスト:『目録委員会議事録』(2002.1〜) (http://www.jla.or.jp/mokuroku/)
出席者:
蔭山(帝塚山大学図書館)、安威(梅花女子大学図書館)、渡邊(神戸大学附属図書館)、杉本(大阪市立大学)、 河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

『日本目録規則』改訂の動向
●NCR改訂の経緯
1965  NCR1965(1965年版) 基本記入方式
1977  NCR1977(新版予備版) 記述ユニット方式
1987.9 NCR1987(1987年版) 書誌階層、ISBD区切り記号
     未完成・・・「静止画像」(→「静止画資料」)
    「三次元工芸品、実物」(→「博物資料」)
    「非刊行物」(→「書写資料」)
1995.12 25期目録委員会(永田委員長)
 目録規則の論理的な分析(FRBR、メタデータ)
 目録作成・利用の実態把握・・・NCRのコンサイン版の作成が前提
1998.3『目録の利用と作成に関する調査報告書』
1998.5 9章改訂案の概要公開 (「図書館雑誌」1992年5月)
1999.11 9章2次改訂案の公開 (「図書館雑誌」1993年11月)
    検討集会(『電子資料の組織化』)
2000.8 9章「電子資料」刊行
2001.8 NCR1987R2(1987年版改訂2版) 9章の追加、用語の修正

●13章「逐次刊行物」の改訂
『議事録』2000.9 検討開始?
・AACR2の改訂草案はかなり大幅な変更を見せているようだ。また、ISBD(S)も名称がISBD(CR)に変わることのことである。第13章の改訂作業を進める前に、このような状況を踏まえ、まず問題点を整理した上、NCR全体の構成との関係をどうとらえるかについてしっかり押さえておきたいと思う。枠組みが固まらないと先に進むのが難しい。
・AACR2のJoint Steering Comitteeの記録(資料8)を見ると、第9章の改訂内容はISBD(ER)を大きく踏み越えた内容になっており、NCRの新第9章とは随分異なるものになりそうな雰囲気だ。今後も周囲の動向をよく見ていく必要がある。
・一つの章の改訂がその章だけの問題にとどまらないことを、われわれは、第9章の改訂作業を進める中で学んできた。第13章の改訂作業も、当然、他の章との関連を考慮せずに進めることはできないだろう。
『図書館雑誌』2002年2月
「逐次刊行物」→「継続資料」に ・・・ 書誌単位も「継続刊行単位」に「更新資料」の語を採用(「統合資料」「加除資料」が他の候補だった)
『議事録』2000.12 「統合資料」を"ひとまず"更新資料の語に必要に応じて、逐次刊行物と更新資料の規定を並記本タイトルの「重要な変化」→「変更」(新記入) ・・・ 逐次刊行物の場合「変化」は微細な変化もある
★ISBD(CR)と類似している。重要な変化と重要でない変化を区別を使用としている。
 記述の基盤は、逐次刊行物は初号、更新資料は最新号
 第3エリアは「順序表示に関する事項」に
 標準番号の拡張
その他疑義録の議論
 タイトルの情報源…「表紙」を最優先(2002.1) ← 変更されることはない
 (理由)確たる根拠は不明だが日本の刊行習慣に最も適している。
 本タイトルとするものの範囲(2002.5)
 個人編者の取扱い(2002.1)・・・除く方向性が見える。逐次刊行物に限定して適応。
 版の責任表示との不整合を調整(2002.2)
 並列タイトル(2002.1)
 「変遷」「変更」「変化」(2002.8)
 記述の意義(12章)、目的記録の方法の検討(2002.10〜)
 詳細案は2003年内に公開される。

●和漢古書に対応した改訂(2章、3章)
『図書館雑誌』2003年9月
 NACSIS-CATの動きが契機
 記述対象ごとに別記述
★和古書はitemレベル、一般図書は実現形レベル、電子資料は表現形に近い形で記述するということになっているが、これでいいのか?
別立てにはしない
情報源の規定に柔軟性・・・資料全体から総合的判断
書誌的巻数の記録方法
区切り記号の改正(カンマ、スペースからスペースへ)
★残欠の記録方式に議論されている。残欠の情報は注記にまわされるかもしれない。
漢籍における責任表示への王朝名の付記(任意規定)
出版・書写に関する記述の詳細な記述
出版地ごとに出版者を記録
古地名に関する転記の原則
書写者の記録 ←これまでは記録しないことになっていた
出版者名の転記(屋号のある場合など)
刊行年と印行年の並記
元号による記録の採用
形態に関する事項の詳細化
注記の表示を補強
NACSIS-CATとの違い
版表示については、NACSIS-CATでは記述しない。
 ←目録委員会では議論の対象になっている。
詳細案は2003年内に公開する予定。

●その他
規則のSGML化
最終的にはXML化(2000)。改訂に利用?
★DTDはどうなっているのか?
『ウエブOPACの原理と技術』?
目録作成・利用の調査の結果、なんらかのガイドラインが必要とされた。
FRBRの翻訳 (2002.1〜)
規則の前面見直しの必要性
・長期にわたる改訂作業となってしまったが、反省点として、規則の全体的な見直しの必要性を痛感したことと、国内外の状況の進展に対して必ずしも十分な対応を取れなかったことが挙げられる。1点目に関しては、現在中断しているSGML化作業をXMLに方向転換する中で、解決を図っていきたいと考えている。2点目の問題は、今後13章の取り組みを慎重に進める中で生かすように努力したい。(『議事録』2000.4)