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整理技術研究グループ勉強会記録(2004年度)

「目録規則再構築の動向」第8回


日時:
2004年7月8日(木) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
蔭山久子氏(帝塚山大学図書館)
テキスト:
Delsey, Tom: "Class of materials concept and GMDs : Comments to Ann Huthwaite."
 http://www.ddb.de/news/pdf/papers_delsey.pdf
出席者:
蔭山(帝塚山大学図書館)、川崎(仏教大学)、森岡(帝塚山大学図書館)、吉田(帝塚山学院大学)、渡邊(神戸大学附属図書館)、河手(大坂樟蔭女子大学図書館)

主情報源の選択(Choice of chief source of information)
・主情報源について広範囲に適用される規則は、優先順位の指示を含む必要がある。
 例)正式に提示された情報、印刷された情報(vs. 音声化・デジタル化されたデータ)
  ヘッダーなどの個別資料(item)に必須の情報源 等
・もし主情報源がこの規則だけでは不十分ならば、キャリアのタイプよりも表現形の様式
(mode of expression)の特別な指示で調整することが適当であろう。

規定の情報源の選定(Choice of prescribed source of information)
エリア1,2,4・・個別資料の識別に重要
・目録作成者はレコード中のデータと個別資料中に現れる情報の間の明白な関係性をあてにする。主情報源から得られるデータとその他の情報源から得られるデータとの違いを最小限度にしておくことが適当。規定の情報源についての一般規則の概念をテストすることにより、唯一の規定の情報源として主情報源を示す一般規則を提示することが可能かどうかがわかる。

エリア5.7.8・・議論の対象になっていない。
・現在の規則ではあらゆる情報源を規定の情報源として認めている。
エリア6・・・・印刷されたテキスト・楽譜・地図で特異なところがあるために問題がある。
・規定の情報源が、個別資料全体・容器・付属資料を含むことは考慮すべき
エリア3・・・・最も問題があるところ
・記録されたデータと資料そのものに共に特異な性質がある
・広範囲に適用される規則で的が絞れなければ
・楽譜・地図資料・・表現形の様式(mode of expression)
・継続資料・・・・・刊行(issuance)
 で調整することが適当

一般資料表示(GMD)
・GMDsのリストを表現形の様式で調整するのが適当

エリア5の情報の記録(Recording information in area 5)
・「物理的キャリア(physical carrier」と同様に「固定化された状態(infixion)」の属性を含む。このエリアはコンテンツとキャリアとの境界線上にある。エリア5の名称を「技術的記述(technical description)」と変更することを考えるべきである。
★エリア5を改善するのではなく新たな名称を与えることによって対応することを主張。
・特定資料表示SMDは「フォーマット(format)」という語の違いを明らかにしていない場合があることは注意すべきである。SMDを最新用語や商業用語へかえた場合の有効性を評価して、エリア5の他の要素への関連性調整する可能性も考慮すべきである。
★エリア5は微調整ですますことを主張

刊行形態(Mode of issuance)

刊行形態…一回もしくは有言回数の刊行で完結(complete as first issued)
 連続刊行(successive issuance) ←★出版の継続性を示す
 更新刊行(integrating issuance)←★内容の継続性を示す
 ★この3つを同列に扱うべきではない
刊行状況…刊行中(active)と終止(ceased)
・「刊行形態」と「刊行状況」とを区別することは注意されるべきである。
・「出版(published)」と「非出版(unpublished)」の個別資料についても同様のである。
・「刊行形態」「刊行状況」「出版・非出版」の3つの側面はそれぞれが独立している。
・第1部の再構成では「刊行形態」と「刊行状況」について「出版」と「非出版」とを区別して扱うことが必要。
・規則では、「継続資料」の側面は「出版」資料と「非出版」資料とに関連する特徴で独立性をカバーすることを認めている。必要ならば、非出版の継続資料の記述について継続資料の規則と非出版資料の規則を共に使えることができる指示を与えるべきである。
★継続資料と出版・非出版とを独立して扱うことを認めるべき

第1部の構成

著者の提案…「コンテンツ」に関わる章は表現形の様式を反映するクラスによって構成される。
・「電子資料」はクラスとして扱われない。
 例)電子テキストはテキスト、電子楽譜は楽譜として扱われる
・「データ」と「ソフトウェア」は他の章でカバーされるものとは別の表現形の様式で使われるコンテンツをカバーするために加えた。
★「データ」と「ソフトウェア」の具体例が不明。「データ」=数字の羅列か?
・独立したクラスが全ての複合コンテンツを記述するための指示を与えるために追加された。

・第1章における通則は、全8エリアの記述の一般規則として主情報源や規定の情報源をカバーする。
・もし主情報源や/または規定の情報源のための補足規則が必要ならば、通則は2-11章のそれぞれの規則を参照するだろう。
・エリア7のコンテンツ関連の注記の通則と同様にエリア11,2,3,4,6,8の通則は、2-11章のコンテンツの特別なクラスの補遺的規則を参照するだろう。
・エリア5や技術的記述に関連するエリア7の通則は、第12章の通則や補遺的規則を参照するだろう。

第12章の通則…エリア5の規定の情報源の通則を含む
・特定の媒体に関係する規定の情報源の補遺的規則を参照する
・補遺的規則は媒体のクラスにより構成され、エリア5と記述的記述の側面に関係するエリア7の注記により組織化される。
・複合メディアの章では、異なるクラスのメディアに属する独立した構成要素をもつ資料の技術的記述についての指示がある。

「電子」資料の2つのクラスとデジタル資料との間では技術的記述エリアで重複して処理すべきである。
 選択肢1)エリア5,7を拡張して、ディジタル資料と非ディジタル資料を区別
  録音┬デジタル資料
    └非デジタル資料
 選択肢2)ディジタル的側面を独立させる

・ディジタルメディアの章にプリントやグラフィックの章での詳細な記述を含めるための指示を組み込むかどうかも決定すべきである。

・刊行形態で、孤立しているfinite resourcesの章を設けることを提案する。

・非出版資料で、以下の章を設けることを提案する。
1)手稿(manuscript)
2)生録音資料(unprocessed sound recordings, films, videos)
 多段階記述もまた、この適用範囲にディジタル手稿を含める可能性を再考する必要がある。
★Chapter15,16の提案
★「出版」・「非出版」という軸と「複製」の軸がない