整理技術研究グループ勉強会記録(2005年度)
「セマンティックWebと資料組織法」第4回
- 日時:
- 2005年5月26日(木) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 渡邊隆弘氏(神戸大学附属図書館)
- テキスト:
- 「セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門」神埼正英著, 森北出版株式会社 2005.1 (ISBN:4-627-82931-0) 第3章 RDFの構文 3.1-3.3
- 出席者:
- 横山(大阪市立大学)、蔭山、戸上(帝塚山学院大学)、渡邊(神戸大学附属図書館)、川崎(佛教大学)、田窪(近畿大学)、吉田(帝塚山学院大学)、松井(大阪芸術大学)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)
3.1 RDFトリプルのXML表現
「トリプル」=2つのノードと1つのプロパティ
ノード記述の記述…rdf:Description
プロパティ要素の記述…プロパティの修飾名(名前空間+ローカル名)
●「入れ子表現」
例)
<rdf:Description> 主語のはじまり
<ex:hasHomepage> 述語(プロパティ)のはじまり
<rdf:Description> 目的語のはじまり
</rdf:Description> 目的語の終わり
</ex:hasHomepage> 述語の終わり
</rdf:Description> 主語の終わり
※「ストライピング」(縞模様)…ノード要素とプロパティ要素が交互に現われる
●ノード、プロパティの様々な表現
・ノードの名称(URI参照) 例3.2
rdf:about属性を用いる(<rdf:Dexcription>に対して)…グローバルな識別子を与える
・目的語がリテラルノード
プロパティ要素の内容としてそのままリテラル文字列を記述
→「属性値」としてわかりやすいデータ表現
・一つの主語が複数のプロパティをもつ場合 例3.4
主語ノード記述内に、各プロパティを並列に並べる
→データベース表現として自然
・グラフの連結(目的語が別のトリプルの主語に)
(1)入れ子表現(例3.5)
主語でも目的語でも同じ「ノード要素」記述だから、目的語をそのまま主語とした入れ子表現が可能
(2)独立した2つのトリプル表現(例3.6)…ノードの同一性はURIで示されているので、機械的連結が可能
どちらの方法も可
同じグラフを複数の方法で記述することができる
RDFの基本はグラフモデル
● RDF文書の全体
rdf:RDF要素で全体を包含…RDF/XMLの文章ツリーの出発点となる要素
◇構文プロファイル:RDFのグラフを特定の構文で表現するよう限定したもの
3.2 空プロパティ要素とプロパティ属性
省略構文…目的語ノード要素、プロパティ要素を属性として記述する
3.2.1 目的語ノードの省略
・空ノード要素の終了タグ(例3.7)…'/>'で要素を要素を閉じることにより省略
・目的語ノードの省略(例3.8)
終点ノード=主語にならないノード
プロパティ要素内で目的語記述…rdf:resourceを用いる
結果として、プロパティ要素が空要素に→終了タグの節約
←こちらのほうが標準的に用いられる
3.2.2 リテラルノードの省略(例3.9)
プロパティ・目的語を主語ノードの要素の属性・属性値に(例3.9)
リテラル文字列をXMLの要素内容として記述しない
例)<rdf:Description ex:hasHomepage rdf:about="uri:pin:MK705" ex:name="神崎正英"/>
2つの直列するトリプルの最後の目的語がリテラルの場合(例3.11)
目的語を主語とするトリプル(2番目のトリプル)をプロパティ要素に記述
当該トリプルの目的語がリテラルのときのみ
→「主語、述語、目的語」ちう並列関係ではなく、主語に対する「属性」「属性値」という従属的なとらえ方
3.3 URI参照とノードの識別
3.3.1 相対URI参照
基点を決めて、そこから相対的なファイル(文書)位置を記録
→HTMLのリンク記述で普通に行われていること
rdf:ID…文書内のIDを指定(HTMLの「アンカータグ」)
xml:base…基点位置の明示指定
情報記述の分散性…「誰もがどんなリソースについてどんなことを述べてよい」
3.3.2 空白ノードの識別
rdf:nodeID…空白ノードにID(=ローカルな識別子)を与える ←複数の空白ノードを区別することが可能に