整理技術研究グループ勉強会記録(2005年度)
「セマンティックWebと資料組織法」第7回
- 日時:
- 2005年7月29日(金) 19:00〜
- 会場:
- 日本図書館研究会事務所
- 発表者 :
- 川崎秀子氏(佛教大学)
- テキスト:
- 「セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門」第5章
- 出席者:
- 吉田(帝塚山学院大学)、松井(大阪芸術大学)、横山(大阪市立大学)、戸上(帝塚山学院大学)、田窪(近畿大学)、渡邊(神戸大学附属図書館)、蔭山、川崎(佛教大学)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)
第5章 RDFの語彙の定義
5.1 RDFスキーマと語彙
RDFで用いられる語彙・・・RDFスキーマによって定義
プロパティの定義、プロパティ同士の関係、クラスの定義
RDFスキーマ・・・RDFの記述に用いる語彙を定義するための言語で構文を定めるものではない
クラス、プロパティの名前や性質、相互関係などを表現
RDFの語彙の特徴・・・分散的・発展的な性質←セマンティック・ウェブの原則を反映
・誰でも定義できる
・誰が定義した語彙であっても利用できる
・別々に定義された複数の語彙を自由に組み合わせてリソースを記述することができる
・新たに定義した語彙を他の語彙と関連付けて意味のネットワークをひろげることができる
5.2 クラスを表現する
クラス・・・リソースをクループ化するタイプやカテゴリー
インスタンス・・・グループに属するリソース
基本クラス
・rdfs:Resource・・・「リソース」クラス。すべてのものはこのクラスのインスタンス。
すべてのクラスはこのクラスのサブクラス。
・rdfs:Class・・・RDFのクラス全体を表すクラス
・rdfs:Literal・・・リテラル(文字列)が属するクラス
・rdfs:Datatype・・・データ型を表すクラス
・rdf:XMLLiteral・・・タグを含んだXMLリテラルを表すデータ型のクラス
・rdf:Property・・・RDFのプロバティを表すクラス
クラスの定義(表現)・・・リソースがrdfs:Classクラスに属することをrdf:typeプロパティで示す(例5.1 例5.2)
RDFクラスの階層構造
・rdfs:subClassOf・・・主語となるクラスが目的語となるクラスのサブクラスであることを示す
主語のクラスのすべてのインスタンスは目的語のクラスのインスタンスにもなる(例5.4)
クラスの外延・・・インスタンスの集合
クラスが自分のクラスの外延のメンバー(自分自身のインスタンス)であることも認める
★パラドックスが生じるかもしれないが、オントロジーで解消することになるだろう。
リソースRがクラスCのインスタンスであると同時にR自身が別のクラスであるということがありえる。(例5.5)
5.3 プロパティを表現する
プロパティの表現(定義)・・・rdf:Propertyタイプを持つリソースを記述しRUI参照で名前を与える(例5.6)
プロパティの外延・・・主語と目的語のペアの集合
定義域(ドメイン)・・・プロパティの主語となるクラス←rdfs:domeinを用いる
値域(レンジ)・・・目的語となるクラス←rdfs:rangeを用いる
複数の地域が列挙された場合、そのプロパティの目的語は全てのクラスの外延に属する(例5.13)
プロパティの階層
rdfs:subPropertyOfで表現
サブプロパティは上位プロパティの定義域・値域を継承する
推移性を持つプロパティ
5.4 注釈情報も含めたスキーマの記述
・rdfs:label・・・クラス、プロパティの名前をより人間に分かりやすい形で示すために用いる
★エージェントを意識した情報ではないか。
・rdfs:comment・・・クラス、プロパティの「意味」を、人間が理解できる形で記述する
・rdfs:sesAlso・・・主語リソースに関する関連情報のリソースを示すプロパティ
「RDFエージェントのハイパーリンク」・・・RDF収集ロボットがこのプロパティで示されるリソースをたどって芋蔓式にRDFデータを収集することができる
・rdfs:isDefinedBy・・・主語リソースが定義されているリソースを示すプロパティ
RDFスキーマの語彙表現を補足する情報を示す