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整理技術研究グループ勉強会記録(2005年度)

「セマンティックWebと資料組織法」第12回


日時:
2005年12月7日(水) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
吉田暁史氏(帝塚山学院大学)
テキスト:
「セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門」神埼正英著 森北出版株式会社 2005.1 第9章 RDFの検索と推論
出席者:
戸上(帝塚山学院大学)、横山(大阪市立大学図書館)、蔭山、松井(大阪芸術大学)、吉田(帝塚山学院大学)、渡邊(神戸大学附属図書館)、川崎(佛教大学)、河手(大坂樟蔭女子大学図書館)

第9章 RDFの検索と推論
9.1 RDFの検索
9.1.1 検索とグラフのパターンマッチ
RDFの検索…トリプル、グラフのパターンを一致させて検索。
 検索システムはRDFデータベースの中から例9.1ようなパターンに当てはまる部分集合を選び出し、変数に実際のノード値を結びつける
 ★「RDFデータベース」とは「RDFとして記載されたデータ群」という意味合いか?
 図9.1のパターンを調べる検索をRDQLで表すと例9.2のようになる
 RDF検索言語の大半はN3型のトリプル記述とSQL的な構文を組み合せる方式を採用している。

9.1.2 複雑なクエリとフィルタ
複雑なクエリの検索(図9.2 例9.3)
 グラフを集約・統合することができる(RDFの特徴)…領域をまたぐ検索が可能
 フィルタ条件(範囲の指定など)を設定して検索(例9.4)…AND節を用いて書き表す

9.1.3 W3Cでの標準化作業
2004年 2月 RDF Data Access WG (DAWG)発足
    6月 "RDF Data Sccess Use Cases and Requirements"草案
 グラフパターンマッチや変数を使った検索+以下のRDFクエリ
 ・グラフパターンの一部をオプションとして指定できること
 ・データ型をサポートすること
 ・検索結果数の上限を設定できること
 ・対象ソースを(複数)指定して検索できること
 ・複数のソースに対する検索ができること
 ・蓄積したRDFを対象として検索するとき、その由来情報も取り出せること
 ・検索クエリをURIとしてアドレス指定できること
 ★ここでの「ソース」とはfoafやRSSのような名前空間のことと考えられる。
   10月 クエリ言語SPRQL草案公開(例9.5)
2005年夏頃 クエリ言語の抽象構文、具象構文とクエリのプロトコルに関する標準化を行う予定

9.2 RDFと推論規則
より豊かな表現力を持つ記述言語の開発が進行中←標準的な技術は定まっていない
9.2.1 RDFと論理式の表現
RDFのトリプルは主語と目的語の二項関係を表す記述論理の式に相当する。
RDFで例9.8のような推論規則を記述するための標準的な方法は固まっていない。
基本的な使用の方向性
・RDFのモデルを大きく変更しない
・ホーン節、およびDatalogによる規則記述を可能にすること
・XQueryとの関連性

9.2.2 cwmでの推論
cwm…セマンティック・ウェブの実験的なプラットフォームとして開発
 N3で規則を記述(例9.10)

9.2.3 RuleMLとSWRL
RuleML…推論規則をXMLの形で記述する言語
 2001年にリリース
SWRL…RuleMLをベースにWOL DLを拡張した推論規則を記述できる(例9.14)
 W3Cに提案されている