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整理技術研究グループ勉強会記録(2004年度)

「目録規則再構築の動向」第4回


日時:
2004年4月8日(木) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
河手太士氏(大坂樟蔭女子大学図書館)
テキスト:
Tillett, Barbara B. "AACR2's Updates for Electronic Resources : Response of a Multinational Cataloguing Code : A Case Study", March 2002.
第3回日本語,中国語,韓国語の名前典拠ワークショップ. 2002
(原文 http://www.nii.ac.jp/publications/CJK-WS3/cjk3-11a.pdf)
(翻訳 http://www.nii.ac.jp/publications/CJK-WS3/cjk3-11b.pdf)
出席者:
吉田(帝塚山学院大学)、蔭山(帝塚山大学図書館)、田窪(近畿大学)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

1.AACR2's Updated for Electronic Resource
2.Changing Technology
技術の進歩・・・粘土板→巻物 木版→活版印刷
 タイプライターによる書類作成、フォトコピーによる大量コピー
 インターネットの出現・・・著者の所産(work)をこれまで以上に容易に創造・配布が可能
図書館の目録の発展
 粘土板・巻物→冊子本・カード目録→オンライン目録
 オンライン目録・・・伝統的な図書館資料と組み合わせたディジタル資料へのポータルやゲートウェイを含む大きなシステムの一部に

3.What are we cataloging?
資料の発展・・・形式や容器(キャリアー)の多様化と盛衰
AACR・・・形式や形体に関わらず全ての資料と対象とする
 過去・現在・未来に現れる資料にも適用する

4.AACR2
AACR2への批判・・・リソースの度重なる変化に迅速に対応していない
AACR2・・・全ての資料への統制的なアクセスを伴う網羅的な記述を作成
 図書館が保持している書誌レコードの再利用も可能な指標の提示
 基本原則にのっとっており、用例を提示することは意図しない
AACR2の改訂方針
 急に徹底した変更は実施したくない・・・図書館の代償が高くつく
 短期間での変更や廃止などは避ける
 変更による影響や利用者のニーズについてできる限り考慮することを心がけている

5.AACR2 Rule Revision Structure
AACRの改訂・・・JSC(AACR改訂合同運営委員会)の役割
JSCの構成組織・・・ACOC(オーストラリア)、CC:DA(イギリス)、英国図書館、
カナダ目録委員会、英国図書館協会、米国議会図書館

6.AACR Case Study for Electronic Resources
電子リソースに関するAACRの改訂プロセス
 条項0.24・・・「個別形」(item)の目録をとるよう指示
      ←対象となる「個別形」の形式に注目し適切な章の規則に従うことを意図する
 AACRの更新・・・対象となる資料の種類絵の適応が明確に
AACR・・・パリ原則とISBDを基礎とする
 互換性を持ちつつ異なる選択をした部分がある
・第9章におけるエリア3の使用はAACR2条項0.24の基準と合致しない
・統制語によって維持される必要のあるリストをこれ以上作成しない
章名の変更・・・「コンピュータファイル」から「電子リソース」へ
 一般資料識別子(GMD)を調整
 エリア5の問題 「どのように物理的ということが物理的ということか?」
 ある種の資料は「リモートアクセス」であっても物理的な特徴を持つ
 特別資料識別子(SMD)に習慣的な用語を用いる
第12章の大幅な改訂を策定
 リソースが存在する間に変化する要素の書誌的記述に関する指示を提示
 リモートアクセスの電子リソースを「出版」とみなすのかどうか ← 検討

7.AACR2 Recent Revisions
AACRは断続なく更新されるので、ISBDとの避けられない程度の「不調和」についてはいつでも受入れる。
第9章の新たな適用範囲・・・インターネットリソースへの適応
「主情報源」の変更・・・「個別形」の全体へ
用語集の用語を更新

8.LC Actions to Implement AACR2 Changes
9.AACR2 - Future Revisions?
電子リソースのエリア3を削除する提案・・・この項目は物理的記述か注記に入れるべき
目録規則の論理的な構造とどのように目録規則を発展させるべきかの勧告を作成
 第1部をISBDのエリアごとに規則を編成する可能性を調査
  ←章によって異なる規則を編集して調和させることが必須
形式の多様化に関する国際ワーキンググループ(Format Variation Working Group)の設立
 より詳細な「実体形」(manifestation)のレコードを伴う表現形(expression)を基本としたレコードの利用
一般資料識別子(GMD)の検討
 実現的表現形の様式のために一般資料識別子を利用する
 キャリアの形体を概念的に属すべき特定資料識別子(SMD)へ移動する
  ★GMDを中身のパターン、SMDを外身のパターンと切り分けて組合わせるという考えが見て取れる。
10.Entities