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整理技術研究グループ勉強会記録(2004年度)

「目録規則再構築の動向」第10回


日時:
2004年9月29日(水) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
進藤達郎氏(京都大学工学研究科・工学部 物理工学系図書室)
テキスト:
Jonsson, Gunilla: "The bibliographic unit in digital context -how to define it?"
 http://www.ddb.de/news/pdf/papers_jonsson.pdf
出席者:
吉田(帝塚山大学)、川崎(仏教大学)、進藤(京都大学附属図書館)、渡邊(神戸大学図書館)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

デジタルのコンテキストにおける書誌的単位―どのように定義するか?
一般論としての書誌的単位に関する議論は、(IMC-ICCの)第4ワーキンググループが扱う
資料の物理的構造に含まれる。
著者のこのコメントはスウェーデン国立図書館での経験による。

Janne Andressonが提起した3つの問題点
1.書誌的単位とはなにか?
2.書誌レコードと書誌的単位の関係は常に1対1か?
3.デジタル環境に向けて、より深いレベルの(書誌的単位の)粒度が必要か?

書誌的単位とはなにか?
書誌的単位…独立した単位として区分できるあらゆる出版物あるいは出版物の一部。
 この原則はどこまででも適用可能。
 段落や行、文や句でさえこの原理にしたがって区分できる。
 FRBRで定義される諸実体が適用されるすべてのケースについて議論の対象とする。
 ★FRBRとの関連が不明。著者の勘違いではないか。
適用の範囲…利用者の目的(発見・識別・選択・入手)と図書館でのコストとのバランス
 ★記述の対象レベルはその経済性に従う。

書誌レコードと書誌的単位の関係は常に1対1か?
 基本的に書誌レコードは体現形について記述されている。
 記述対象は体現形か体現形の一部である。
 記述の粒度は利用者の興味・ニーズと目録作成作業の経済的な制約によって決まる。
 ひとつのレコードが複数の体現形を記述していることや、分出レコードによりその反対の例がある。
 個別資料は書誌レコードの設計された部分、あるいは書誌レコードにリンクした独立したレコードであると説明できる。
 ★一般資料に述べているにもかかわらず、ここで個別資料(Item)が出てくるのはなぜか?
 ★FRBRと書誌レコードの大小関係をリンクしてみているような感じがする。著者の勘違いか?
 書誌的単位の粒度レベルは実用的な観点で選択され、異なるレベルが同じ目録の中に問題なく収まっている。

デジタル環境に向けて,より深いレベルの(書誌的単位の)粒度が必要か?
 著者の回答はイエスとノーの両方。
 デジタル環境ではPDFやその他複数のファイルに分かれた著作があり、その関係はひとつの著作に対する体現形であり、いくつかの部分に分かれたひとつの個別資料である。
 必ずしも伝統的な書誌レコードを作成する必要はない。
 利用者のニーズに合わせた粒度を選べばよい。
 デジタルアーカイブについては、求められるものが異なる。
 ★粒度の関係とFRBRのエンティティを同列に扱っている。
 ひとつの著作を構成する独立したファイルである画像や図表にリンクしたXMLを取り扱う場合が出てくるだろう。
 このXMLファイルで使われているスタイルシートさえ異なる著作として認識される。
 ★これはおかしい。
 これまで取り扱われていた体現形は、レイアウトや活字の配列が統合されたものだった。
 しかし、分割されたレイヤーのようにレイアウトは活字の配列は交換可能となった。ここに問題が生じている。
 書誌レコードにおいてこの現象をどのように扱えばよいかよくわからない。
 問題点は、記述エリアにある。