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整理技術研究グループ勉強会記録(2004年度)

「目録規則再構築の動向」第11回


日時:
2004年10月19日(火) 19:00〜
会場:
日本図書館研究会事務所
発表者 :
河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
テキスト:
Tillett, Barbara B. "IME ICC : Report of the 1st Meeting, Frankfurt, Germany, July 28-30, 2003"
 http://www.ddb.de/news/pdf/ime_icc_report_berlin.pdf
出席者:
吉田(帝塚山大学)、川崎(仏教大学)、土戸(国立民族学博物館)、河手(大阪樟蔭女子大学図書館)

参加国 :32ヶ国 (4ヶ国は参加せず)
参加者数:54名の専門家 (95名の専門家と各国の代表)

目的(goal)
 図書館目録の中で使われている書誌および著者レコードの内容の標準化を促進することにより、世界中の目録情報の共有化を促進すること(1961International Conference on Cataloguing Principlesから続いている)

目標(objective)
 国際目録規則をつくるために、ヨーロッパ各国で現在使われている規則の類似性や相違を比較すること
求められる成果
・今日の目録環境に適応し未来でも役立つ新たな目録法原則の原案を探求すること
・今日に使われている目録規則を調和させ、国際目録規則のもととなる基本的な規則を提案すること(原則が図書館だけではなくアーカイブや博物館、特許庁、コンピュータソフトウェア産業、インターネットコミュニティといった他の情報組織にも適用可能なものが望まれる)

Working Group 1 Personal Names
問題点
1. 典拠標目 vs, 統一標目
 '典拠"は実用的な用語である。
2. 個人名を区別することは実際的か?
 これは目的(goal)(特に全国書誌作成機関にとって)であるが、全ての場合において実用的でないかもしれない。個人名の区別はエンドユーザにはとても重要である。
3. 並列標目の概念
 並列標目は以下の形を取る。
 異なる言語・異なる文字・異なる目録規則・異なる利用者コミュニティ
 個人名の並列標目の存在を認める仮想的な国際的典拠ファイルの概念の調査を推奨する。
4. 名前の選択、名前の構造
 出発点としてIFLAのNames of Personsを利用
5. 典拠レコードの構造(情報源は?)
 典拠レコードファイルに情報源のための必須フィールドがなければならない。
6. 原則の原案
 5.2.1を以下のように変更することを提案
 「個人名が数語からなる場合、記入語は、その個人の国籍で、それが不可能ならば、その個人が住んでいる国での使用法によって決定される。」(ICCP)
7. 典拠レコード/ファイル
 目録規則は典拠レコードの規則を含めるべき

Working Group 2 Corporate Bodies
問題点は以下の3つ
1. エンティティの定義(「何が団体名か」)
2. 団体名の名前(標目)の選択
3. 「著者性」―「団体名のもとでの基本記入」―「第一アクセスポイントとしての団体名」

基本記入
 目録の規則と利用は基本記入としての団体名の利用は多いに異なる。
 草案ではこのエリアでいくつかの選択を示している。

一致点
・団体名のアクセスを保証しなければならない。
・団体名は並置のための重要な要素である。
 明確な定義がある場合にのみアクセスポイントとして団体名の使用を認める傾向がある。
 決定の結果の例を示して、起草すべきである。
★団体名を標目として認めていない目録規則はあるのか?

Working Group 3 SERIALITY
目的(goal)
 どのような変化が新たなレコードの作成理由となる新たな著作/表現形を構成するかという部分でのISBD(CR)と整合しない目録規則項目の識別および基準の確認

問題点
 現在の規則はISBD(CR)と提携しているか?
 もしそうでなければ、どのように異なり、異なる理由は何か?
 それをあつめることはできるのか?

Working Group 4 Multipart Structures
多巻資料
・議論は出版物に制限
・多巻図書の定義
・1つまたは複数の著作を含み、出版終期が決まっており、1つ以上の物理単位で出版される体現形
・1つのまとまった著作の場合には1つのレコードを作成
・分離した物理的部分を含む分離した著作のための分離したレコードがなければならない。
・階層的記述のレベルの数によっては、システムによる制限と共にこれを規定することはできないと思われる。

構成要素
・実現可能性の制限と、図書館ができることと利用者の期待との間な潜在的な格差がある。従って、何を予期することができるかを目録利用者に明確にすべきである。
・目録作成機関が目録構成要素として見ることができる程度ならば、(そうでなければ内容を検索することができない)出版物のタイプに専念することは良いことであろう。
・IFLAの目録部会にオンライン環境のための書誌データの供給を出版社と協力して研究することを提言しなければならない。
・図書館界は、構成要素の記述の部分については索引サービスと出版社に頼る。

複合的表現形
・表現形の識別に関して、図書館が体現形によって行うことを認める。

複合的体現形
・派生物であっても元の形式でのレコードでの代用を認めるオプションを認めるべきである。

Working Group 5 Uniform titles and GMDs on the expression level
GMD
・表現形レベルでの使用
form/mode of expressionに属する種別は有益な情報であることが多く、また保持すべきものである。このグループでは、候補となる2つのリストを調べた。一つはFRBRでもう一つはTom Delseyが提案したものである。

<FRBR mode of expression>
alpha-numeric notation
music notation
other notation
sound
still image
moving image
three-dimensional object
combination of above

<Tom Delseyのリスト>
Text
Music
Cartographic resource
Sound recording
Graphic resource
Moving images resource
Three-dimensional resource
Mixed content resource

 どちらのリストも完全とは言えないが、両方とも一般法則の望ましいレベルには達している。

・体現形レベルでの利用
 キャリアの特定種別は必要であり、目立つように表示すべきである。
 表示のために種別をコード化する可能性と、書誌的記述自体内の語を表示する可能性を認識することができた。