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整理技術研究グループ月例研究会報告

神戸ファッション美術館のOPAC

青木堅司(神戸ファッション美術館)


日時:
2001年5月26日(土) 14:30〜17:00
会場:
神戸ファッション美術館3階ライブラリー
発表者 :
青木堅司氏(神戸ファッション美術館)
テーマ :
神戸ファッション美術館のOPAC
出席者:
蔭山久子(帝塚山大学図書館)、堀池博巳(京大大型計算機センター)、久保恭子(大阪青山短大)、北西英里(大阪府盲人福祉センター)、太田智子(京都外大図書館)、渡辺朋子(佛教大学図書館)、守屋祐子(千里文化財団)、白川満純(堺市立中央図書館)、浜田行弘(関西学院大学)、渡辺隆弘(神戸大学図書館)、笠井詠子・吉田暁史(帝塚山学院大学)、青木堅司

1.神戸ファッション美術館ライブラリーの概要
 ファッション美術館は1997年4月開館。図書2.8万冊、雑誌380タイトルほどを所蔵。その他、視聴覚資料(ビデオ、LD等)、大内順子コレクション(スライドやプレスキットなど)、ストローブ・ユイレの映画フィルム全作品、等を所蔵。American Vogueなど100年以上前からバックナンバーを揃えているものもある。また20世紀初頭のファッションプレートを所蔵し、これは画像データベースとしても提供している。ファッション関係コレクションでは、文化女子大学図書館が有名であるが、誰でも利用できる公立の専門図書館としては唯一の存在である。年間約10万人が来館利用する。
2.提供するOPAC
 神戸市立図書館、神戸外大図書館、神戸市立看護短大図書館、の市立関係3グループと連携して、神戸市情報ネットワークシステムを構築しているが、OPACはこのネットワークによって、4者共有データベースをもとに運用している。共有化することにより、システム開発・維持管理のコスト削減、資料の共有と検索の一体化、重複作業の削減、といった効果を上げている。1995年9月にネットワークが稼働し始め、2001年には新しいシステムに移行した。それまで独自のOPACシステムを持っていた図書館もあるが、今では4者すべてがこの共有システムで目録業務を行い、全加盟図書館がオンラインで結ばれている。
 目録システムは新NACSIS-CATに対応しており、基本的にはNACSIS型の書誌ファイル構造を持つが、神戸市立図書館のようにTRC MARCを用いた入力方式にも対応するよう、柔軟な運用を行っている。書誌単位に基づく書誌レコード−物理単位(NACSISにおける出版物理単位に相当)−複本データ、という構造を持っている。
 OPACは加盟各館が分担して開発したが、下記のような特色あるさまざまな試みを行っている。
(1)簡易検索と詳細検索とを選択できる。
(2)巻物OPACと称して、タイトルや著者名の冒頭部からブラウジング的に検索する機能がある。
(3)詳細検索で検索して、検索結果を詳細表示したとき、表紙画像や簡単な紹介文、等を表示することができる。元データはTRCから購入したものであり、一部の図書で利用できる。
(4)携帯電話から検索できるような画面を用意している。現在iモードとJ-Skyに対応しているが、利用が非常に多い。
3.OPACシステムの説明と質疑のあと、ライブラリーおよび美術館の見学を行った。美術館では特別展として「世界の真珠・美の彩展」が開催中であった。