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整理技術研究グループ月例研究会報告

国立情報学研究所メタデータ・データベース共同構築事業について

杉田茂樹(国立情報学研究所)


日時:
2002年11月30日(土) 14:30〜17:00
会場:
城北市民学習センター
発表者 :
杉田茂樹氏(国立情報学研究所開発事業部コンテンツ課)
テーマ :
国立情報学研究所メタデータ・データベース共同構築事業について
出席者:
高橋りさ・片岡陽子(大阪女学院図書館)、吉井紀子(鳴門教育大図書館)、浜田行弘(関学図書館)、川崎秀子(佛教大学図書館)、前川和子(堺女子短大)、安威和世(梅花女子大学・短大図書館)、蔭山久子(帝塚山大学図書館)、村井正子(京都精華大学情報館)、藤井絹一(産業技術短大)、堀池博巳(京大学術情報メディアセンター)、倉橋英逸(関西大学文学部)、渡辺隆弘(神戸大学図書館)、笠井詠子・吉田暁史(帝塚山学院大学)、杉田茂樹

1.事業の概要と現状
 国内の大学・研究機関等が、インターネット上において発信している学術情報資源のメタデータをデータベース化することにより、学術情報の円滑な流通を図り、各大学の研究成果を広く世界に発信することを支援する事業。全国大学図書館等による共同分担入力によって構築する。参加機関は、11月28日現在で、国公立大学47、私立大学69、短大14、高専その他33、計163機関となっている。データ登録は10,215件であるが、試行期間中入力や先行館による一括入力が大部分を占め、本実施後の手入力はまだ212件である。
2.収録対象
 研究成果、研究資源、研究者・研究室情報、教育情報、広報資料、図書館に関する情報、デジタルミュージアム、参考情報、といったもの。収録基準としては、内容、信頼性、鮮度に重点をおく。
3.データ記述要素と入力システム
 メタデータとして、DC (Dublin Core Metadata Element Set)に準拠するが、NACSIS-Authorityレコードとのリンク、読みの付与、NII資源タイプといった独自拡張項目もある。入力システムとしては、NII側でWWWインターフェースによる入力画面を設けている。またUCSコードを用い、多言語対応となっている。
4.入力実例
 研究成果(論文)、研究成果リスト(論文リスト)、研究資源(ソフトウェア)、といった対象資源ごとにデータ入力の実例が示されている。データ作成例に関しては以下を参照(http://www.nii.ac.jp/metadata/manual/sakuseirei.pdf)。情報源のタイトルが不十分なときは担当者の判断で適宜補う、descriptionやsubjectをなるべく詳しく、NDC分類記号はなるべく多数入れるように、といった指針がある。また入力マニュアル全般は下記にある(http://www.nii.ac.jp/metadata/manual/)。
5.一般公開
 一般公開は平成14年度内を予定している[注:2003年3月17日に公開が始まった(http://ju.nii.ac.jp/)]。NII学術コンテンツ・ポータルGeNiiの一環として公開される。検索の仕組みとしては、主題(Subject)を軸とし、資源タイプ(Type)を併用した組み合わせによるものとなる。主題検索としては、NDCを用いてディレクトリをたどる方法と、キーワードによる検索の両方が可能となる。
6.データ交換
 北大や岡山大学からは、データの一括登録を行ったが、一括データ登録方式をも考えている。逆にNIIデータを個別大学へ一括送付することも可能となろう。そのためにデータ交換のためのプロトコルであるOAI-PMH(Open Archives Protocol for Metadata Harvesting)の導入を計画している。
7.今後の課題
(1)データ量の拡大を目指す。そのために講習会や説明会を開催する。
(2)アクセスポイントの充実。まずDCの記述項目であるdescriptionを重視してabstract的なものとして活用したい。次に、主題項目として分類・件名の付与をうながしたい。将来的にはLC件名の付与を目指し、日本語化を考えている。
(3)大学側ですでに持っているデータを取り込むため、基準外データの許容(例えばMARC形式データのマッピング)も考えている。
(4)国立国会図書館のDnaviのような外部同種事業との協調、データ交換も計画している。
プレゼンテーションファイルもご覧ください。