整理技術研究グループ月例研究会報告
図書館目録の将来設計:勉強会報告
河手太士(大阪樟蔭女子大学図書館)
- 日時:
- 2007年7月28日(土) 14:30〜17:00
- 会場:
- 大阪市立浪速人権文化センター
- 発表者 :
- 河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
- テーマ :
- 図書館目録の将来設計:勉強会報告
- 出席者:
- 石井道悦(大阪大図書館)、一場史行、蔭山久子、川崎秀子(佛教大)、久保恭子(神戸松蔭女子学院大)、佐藤毅彦(甲南女子大)、杉本節子(相愛大)、田窪直規(近畿大)、田村俊明(大阪市立大学術情報総合センター)、研谷紀夫(東京大)、中川正己(松山大)、韓相吉(韓国・大林大)、堀池博巳(摂津市施設管理公社)、松井純子(大阪芸術大)、村上幸二(奈良学園)、吉川直樹(京都府立総合資料館)、吉田暁史(大手前大)、渡邊隆弘(帝塚山学院大) 河手<19名>
当グループでは2007年度のグループ研究テーマを「図書館目録の将来設計」と設定している。今回は、グループ有志で行っている勉強会(文献輪読)の内容(2007年1〜7月)について、発表された。
1.文献輪読報告
以下の8文献が紹介された(ほとんどはウェブ上で入手できる。各文献末尾の「→」は勉強会報告サイトへのリンクである。情報源及び勉強会詳細記録については、そちらを参照のこと)。
- Antelman, Kristin et al. "Toward a twenty-first century library catalog". Information Technology and Libraries 25(3), 2006 →
- ノースカロライナ州立大学における新しいOPACの導入について。
- The University of California Libraries, Bibliographic Services Task Force. Rethinking how we provide bibliographic services for the University of California. Dec., 2005 →
- カリフォルニア大学図書館による報告書。大部のものであり、特に「要約」と「序論」について紹介された。
- Danskin, Alan. "Tomorrow never knows: the end of cataloguing?".
Aug., 2006.→
- IFLAソウル大会の発表論文。直面している問題の整理と今後の展望。
- Cathro, Warwick. "New frameworks for resource discovery and delivery".
Aug., 2006. →
- IFLAソウル大会の発表論文。オーストラリア国立図書館の全国総合目録計画について。
- Markey, Karen. "The online library catalog: paradise lost and paradise regained?". D-Lib Magazine 13(1/2), 2007. →
- OPACが使われなくなった理由の考察と、OPAC再検討の展望について。
- Yu, Holly, and Margo Young. "The Impact of Web search engines on subject
searching in OPAC." Information Technology and Libraries 23(4), 2004. →
- カリフォルニア州立大学におけるOPACトランザクションログ分析について。また、検索エンジンやオンライン書店に学ぶWebOPACの改善について。
- Mann, Thomas. "Will Google's keyword searching eliminate the need
for LC cataloging and classification?". Aug., 2005. →
- LC専門職組合サイトに掲載の文書。LC件名標目を用いた検索の優位性について。
- Coyle, Karen. "The Library catalog : some possible futures". Journal of Academic Librarianship 33(3), 2007. →
- 目下の状況の整理と、今後の目録の方向性について。
2.まとめ(発表者の展望)
- 情報量の急激な増加と、これに対応する様々な検索サービスの展開により、図書館目録は「特別なもの」から「様々な情報資源の一つ」になった。これにより利用者の目録に対する意識が変わってきている。
- 今後の目録の改善は2つの視点に整理できよう。一つはブール演算を超えた検索手法の導入や利用者支援などの「機能」であり、もう一つは書誌・所蔵情報から目次・表紙画像・索引・本文へと拡張されていく「データ」である。
(記録文責:渡邊隆弘)