当研究グループでは「新時代の目録規則」を2009年度の年間テーマとし、RDA(Resource Description and Access)やIFLA「国際目録原則」などを取り上げてきた。今回の発表は、本年度のしめくくりとして日図研第51回研究大会(2010年2月)で行う予定のグループ研究発表について現段階での整理を発表し、意見交換を行うものであった。
2009年11月完成と予告されていたRDAは、ここに来て2010年6月まで刊行延期となったが、構成・内容は既に固まっている。また、2009年2月には国際目録原則が完成・公表された。1960年代にその基礎が築かれた現在の目録法が大きな転換期を迎えようとしていることは了解されているが、その真の「新しさ」はどこになるのか、目録や目録業務はどう変わるのか、は必ずしも判然としない。
こうした問題意識のもとに、今回の発表ではRDAと概念モデルとの関係に焦点があてられた。RDAの基盤にはFRBR(書誌レコードの機能要件)及びFRAD(典拠データの機能要件)の各モデルがある。具体的には、RDA全体草案に見るFRBRないしFRADに関連する記述を抜き出して、過去の目録規則との違いを具体的に整理する発表であった。考察の範囲は、RDAの序論(0章)、10セクションから成る全体構成、実例集(付録M)に及んだ。
発表後、RDAの構成、FRBRとFRADの関係、FRADのユーザタスクとRDAとの関係、FRBRモデルの問題点などについて議論があった。
研究大会発表及び『図書館界』62巻2号に執筆予定のグループ研究発表論文と重なる内容のため、本月例会記録は簡略にとどめる。研究の詳細は後日論文等をご覧いただきたい。
(記録文責:渡邊隆弘)