「新時代の目録規則(続)」のテーマを掲げて行ってきた2010年度の活動のまとめを行うとともに、日図研第52回研究大会で行う予定のグループ研究発表「新しい目録規則から得られるもの」について現段階での構想を発表し、意見交換を行った。
2009年度に引き続き「新時代の目録規則」をテーマとした活動を行ってきた。詳細は、グループWWWサイト(本サイト)を参照されたい。
2010年6月に完成されたRDA(Resource Description and Access)について、その実装がどのようにOPACや書誌情報流通を変えていく可能性があるのかを、特徴点の一つである「機械可読性の向上」という視点から考察する。
FRBR/FRADモデルに則ったRDAが機械可読性において従来の規則から大きく前進していることは間違いない。しかし、RDA策定にあたってはメタデータの意味的側面と構文的側面が切り分けられ、前者のみがRDAの守備範囲とされた。単純・平板なモデルではなく、実体間の縦横の関連が絡み合った複雑な構造をもっているRDAにおいては、実装方式(構文的側面)の選択が意味的側面を制約しかねない側面をもっているように思われる。
RDAに則した目録データの作成には従来どおりMARC21フォーマットを用いることが企図され、ここ数年で同フォーマットの修正が検討・実施されてきた。現在は、LC等が主導する実装テストが行われている段階である。一方で2007年以降、RDAの語彙のメタデータレジストリへの登録など、メタデータ標準との接合の動きもある。こうした動き、特にMARC21による実装がRDAのもつ意味的構造を過不足なく表現できるのか、等の検証を行う予定である。
以上、研究大会発表及び『図書館界』63巻2号に執筆予定のグループ研究発表論文と重なる内容のため、本例会記録は簡略にとどめる。
月例研究会終了後、忘年会を行った(参加11名)。