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情報組織化研究グループ月例研究会報告(2013.4)
ウェブスケールディスカバリーSummon:検索から発見へ
藤田美穂(株式会社サンメディア)
日時:
2013年4月13日(土) 14:30〜17:00
会場:
大阪市立弁天町市民学習センター
発表者 :
藤田美穂氏 (株式会社サンメディア)
テーマ :
ウェブスケールディスカバリーSummon:検索から発見へ
出席者:
井原英恵(神戸大学)、内山佳代子(サンメディア)、尾松謙一(奈良県立大学図書館)、川崎秀子(佛教大学)、河手太士(静岡文化芸術大学図書館)、古賀崇(天理大学)、塩見橘子、田窪直規(近畿大学)、田村俊明(紀伊國屋書店)、畠中朋子(国際交流基金)、堀池博巳、前川和子(大手前大学)、前田正義(海上保安大学校)、松井純子(大阪芸術大学)、村井正子(日本アスペクトコア)、山野美賛子、山本知子、渡邊隆弘(帝塚山学院大学)、和中幹雄(大阪学院大学)、藤田<20名>
1.SerialSolution社について
ワシントン州立大学図書館司書Peter McCrackens氏により2000年に設立。
リンクリゾルバーシステム(2002年)、統合検索システム(2005年)をリリース。
2006年 電子リソース管理システム(360シリーズ)をリリース。
2009年 Summonをリリース。
世界で500機関以上が導入。日本国内で約10機関がSummonを公開。
2.北米での図書館利用調査
Library Resourcesは、質が良く信頼のあるコンテンツとして最も優れた資源や、好ましい学術リサーチがある場所として、Web Searchよりも支持されている。
一方、最も簡単に検索を開始できる場所として利用されているのは、Library DatabasesよりもGoogleであり、行動はともなっていない。
図書館資源が利用されない理由は、利用者が「どこから検索を始めてよいかわからない」「最適な学術データベースを特定するのが難しい」「学術的なデータベースがあることを知らない」ことにある。
Googleがfirst choiceになる理由は、検索窓が1つで利用者は入力項目を迷うことがなく、キーワードも自由形式であるため。
Googleの問題は、検索対象がWebサービス中心であるため、その検索結果が玉石混淆で、有用・優良な学術的リソースを利用者が選択することが難しい。
3.Summonの特徴
たった一つの検索窓から図書館が持つ様々なリソースを検索することができるので、Googleと同じ感覚で学術的な情報を検索することができる。
Summonは、図書館がもつ様々なリソース(目録情報やデータベース、電子ジャーナル等)をプレハーベストして、標準化し搭載する。
各々の図書館で利用できる出版社やプロバイダが提供するコンテンツについて、コンテンツに関する情報をプロバイダ等から直接取得し、標準化してSummonへ搭載。これにより、確実にアクセスできるコンテンツの提供が可能。
学内コンテンツ(機関リポジトリ等)も様々な方法で収集し、標準化してSummonへ搭載。
4.収集コンテンツの量と質
90以上のコンテンツタイプ、多くのジャーナルのフルテキストの検索が可能。
各コンテンツのメタデータはSummonレコードに変換し重複したメタデータがあればSummonレコードでメタデータを統合して搭載。
「一つの検索インデックス」により、正確な関連性ランキングが実現。
各種のメタデータをSummonのレコードに統合することにより、検索速度や関連性表示などの面で横断検索等よりも優れている。
5.検索システムの質
日本語の検索機能は、形態素解析等を行うことで実装しているが、今後より強化を図る。
コンテンツの言語に応じて言語独自の検索機能を提供。
検索結果は、インタフェースで使用されている言語に基づいて表示。
検索結果表示では、資料フォーマットの表示、ファセット機能、図書館システムとのリアルタイム連携、検索結果の保存を提供。検索結果は、関連順、日付順でソートが可能。
活用するための付加機能としては、Web of Science引用回数表示や、検索キーワードに連動した図書館独自の広報機能(Best Bets)などを用意している。ディシプリンスクープドサーチやチャットレファレンス機能など現時点では日本国内で利用している図書館はほとんどないが、様々なサービスへの応用・展開が可能な機能がある。
より使いやすいインタフェースで提供されるSummon2.0がまもなくリリースされる予定。
(記録文責:河手太士)
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