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情報組織化研究グループ月例研究会報告(2025.12)

アーカイブズと「組織化」私(試)論――編成・記述はなぜ厄介なのか?

平野 泉氏(立教大学共生社会研究センター プロジェクト・アーキビスト)


日時:
2025年12月20日(土)14:30-16:00
会場:
(Zoomミーティング)
発表者:
平野 泉氏(立教大学共生社会研究センター プロジェクト・アーキビスト)
テーマ:
アーカイブズと「組織化」私(試)論――編成・記述はなぜ厄介なのか?
出席者:
荒木のりこ(大阪大学附属図書館)、石黒礼子(国立アートリサーチセンター)、井出竜郎(NPO法人アート&ソサイエティ研究センター)、今野創祐(東京学芸大学)、元ナミ(東京大学文書館)、大木悠佑(学習院大学)、金本弘之、木曽寿紀(松本史談会)、木村進之介、清原和之(島根大学)、古山悟由、坂本登代子、齋藤柳子(記録の森研究所)、塩見橘子、島津良子(立命館大学)、島袋さくら(北谷町公文書館)、外田祥子(ナカバヤシ株式会社)、高山正也(慶應義塾大学名誉教授)、田窪直規、田中久徳、辻川敦、筒井弥生(筑波大学アーカイブズ)、徳原靖浩(国際文化会館図書室)、中村愛子(渋沢栄一記念財団)、西田紀子、橋本久美子、橋本陽(京都大学大学文書館)、藤隆宏、藤原孝公(学習院大学)、前川敦子(関西外国語大学)、山永尚美、和中幹雄(『メタデータ評論』編集委員会)、他14名、平野<47名>
配布資料:

はじめに用語の整理がなされた。アーカイブズ、アーカイブズ学、アーカイブズの「編成」「記述」「コンテクスト」といった用語の、今回の発表における意味が伝えられた。また、記録メタデータの概念モデルやアーキビストによるアーカイブズへの向き合い方も示された。さらに、アーカイブズの組織化の歴史の概略が語られた。

次に、ヒラリー・ジェンキンソンの「マニュアル」(1922)(以下、「HJのマニュアル」)の紹介がなされた。HJのマニュアルの出版の経緯が語られ、内容が示された。HJのマニュアルから読み取れるアーカイブズの起源、アーカイブズ業務のあり方が説明された。

続けて、ポール・オトレの業務ドキュメンテーションのマニュアルが説明され、発表者の解釈が語られた。オトレが考えたドキュメンテーションの定義づけや実践にあたっての考えが示された。

1920年以降の英国の財務省の文書管理の実践事例を通じて、業務の「主題分類」とレジストリーの一例が紹介された。レジストリーでの集中管理を試みたものの様々な問題が発生し、結果的に、1940年代には再び分散管理となった経緯が語られた。

最後に、今回の発表のまとめとして、人員の配置など、様々な要因が文書(アーカイブズ)管理の現実においては影響を及ぼし、解決策は似ているが、問題はつねに個別の厄介さを抱えていることが示された。編成・記述の原則や方法論はある程度の解決にしかならず、国や分野の境界を超えて各種の専門家が交流することの意義が強調された。

なお、今回の月例研究会については、Zoomの映像を録画し、開催後一週間に限り、出席を申し込んだものの欠席された方にも、映像を配信した。

(記録文責:今野創祐)