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整理技術研究グループ月例研究会報告

日本目録規則第13章(継続資料)改訂案の検討

吉田暁史、渡邊隆弘、河手太士


日時:
2004年9月4日(土) 14:30〜17:00
会場:
大阪市立浪速人権文化センター4階会議室1
発表者 :
吉田暁史氏(帝塚山学院大学)、渡邊隆弘氏(神戸大学図書館)、河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
テーマ :
日本目録規則第13章(継続資料)改訂案の検討
出席者:
蔭山久子(帝塚山大図書館)、川崎秀子(佛教大)、楠本成生(相愛大図書館)、久保恭子(神戸松蔭女子学院大)、進藤達郎(京都大物理工学系図書室)、田窪直規(近畿大)、土戸千晶(国立民族学博物館図書室)、堀池博巳(京都大学術情報メディアセンター)、前川和子(堺女子短大)、山野美贊子(帝塚山学院大非常勤)、山本千恵(国立民族学博物館図書室)、吉田、渡邊、河手<14名>

A.『界』発表原稿における継続資料関係指摘箇所まとめ

 グループでは、“最近における目録規則の改訂−電子資料と継続資料を中心に−”と題して研究発表を行った(『図書館界』56巻2号 p.102-110)。そこで述べた継続資料関係についての主張はおよそ下記のごとくである。

1.評価と問題点
1.1.逐次刊行物と更新資料
 ISBD(CR)ではその対象資料を "issued over time with no predetermined conclusion" と表現している。発行時点で記述対象が固定される一般的な単行資料に対比して、継続的に発行行為が重ねられ記述対象が変化していくというのは、逐次刊行物・更新資料の双方にみられる性格といえるであろう。しかし、新たな分冊が積み重なっていく逐次刊行物(物理的な刊行の継続性)と、内容自体が変化していく更新資料(内容的な継続性)では、基本的に密接な親近性があるとはいえない。また利用面で考えても、初号からの全体が利用の対象となる逐次刊行物と、各時点におけるスナップショット的な利用が中心となる更新資料とでは、継続性の捉え方に対する態度も自ずと異なってくるであろう。その両者を無理に同一資料種別の枠内で扱うことは、結果的に随所で「逐次刊行物」「更新資料」の二本立て規定を生み、かえってわかりにくい規則構造となってしまう。論理的にも、実務的にも、逐次刊行物と更新資料を別立ての規則としたほうが明快であると考えられる。

1.2.タイトル変更と記述の基盤
 逐次刊行物目録の実務においては、微妙なタイトル変更は大きな悩みの種となってきた。Major changesとMinor changesを整理し、軽微な変化による新記入の発生を抑制するという今次の改訂の方向性は理解できるし、論文レベルの書誌索引データベースとのリンクを考えればISSNとの整合性にも大きな意味がある。ただ、変更が重ねられた場合、一般的な目録利用者が想起しやすいのは最新状態のタイトルであろう。そうであれば、記述の基盤を初号におくという原則が最良かどうか、再考の余地がある。
Minor changesとみなす場合を個別に見ていくと、中にはかなり大胆に思える規定もある。

B.総論:資料の区分原理

(1)キャリアによる
 印刷資料(紙媒体)、レコード盤(アナログで音声を円盤に記録)、フィルム(映画フィルム、マイクロフィルム、マイクロフィッシュなど)、磁気媒体(録音テープ、ビデオテープ、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク、光磁気ディスク、など。
(2)記録内容の種類による
 文字(テキスト)、音声、静止画、動画、複合様式(マルティメディア)。これは、物理的な容器に関する区分ではないが、メッセージの意味内容に関わる区分でもない。メッセージの形式に関する区分といえよう。
(3)記録の様式による(活字の種類、ファイル形式の種類など)
(4)記録の様式による(ディジタルかアナログか)
(5)刊行特性による
 逐次刊行物か単行資料か
(6)内容が確定しているか、更新されるか
 Web情報資源、ルーズリーフ
(7)出版物か否かによる
 出版物、非出版物
(8)複製資料か唯一資料か
 写本や自筆原稿のような唯一資料か、近代の図書館資料を特徴づける複製資料か。
(9)複製物か否か
 複製物かオリジナルか(いわゆる復刻版的なものかどうか)
---------------------------------------------------------------
(10)用途による
 一般資料かレファレンス資料か
(11)1次資料と2次資料
(12)利用対象による
(13)編集方式による
(14)主題による
 以下無数の区分があろうが、これくらいまでが図書館資料として意味のある区分ではなかろうか。

 上記のうち、(1)から(9)までが、目録規則に関係する区分と思われる。資料のあらゆる要素を論理的に記述するためには、上記のような区分原理のうち、どれか一つだけを優先して、他はあいまいなままという従来型の記述方式は成り立たない。区分原理ごとに、あらゆる要素を混同せずに記述しうる方式が必要となる。

C.継続資料各条文検討(第13章)

 旧規則では、通則と同様の箇所は、通則への参照だけがあったが、本規則では通則への参照を行わず、同じ内容を繰り返し規定している。これは今後すべての章に適用するつもりだろうか。

継続資料、逐次刊行物、更新資料の定義
【継続資料】の用語定義
 完結を予定せずに同一の本タイトルのもとに継続して刊行される資料。逐次刊行物と完結を予定しない更新資料とがある。

【逐次刊行物】の用語定義
 完結を予定せず,同一の本タイトルのもとに,一般に巻次・年月次を追って継続刊行される出版物で,その媒体は問わない。雑誌,新聞,年報,年鑑,団体の紀要,会報,モノグラフ・シリーズなどがある。通常,継続的に刊行される各号は,モノグラフ・シリーズや雑誌の特集号,別冊など以外に,固有のタイトルをもたない。

【更新資料】の用語定義
 更新により内容に追加,変更はあっても,同一の本タイトルのもとに,一つの刊行物としてのまとまりが維持されている資料。完結を予定するものと予定しないものとがあり,完結を予定しないものは継続資料に属する。更新資料には,加除式資料,ウェブサイト,データベースなどがある。

 継続資料、逐次刊行物、両定義を見比べると、逐次刊行物では「一般に巻次・年月日を追って継続刊行される出版物で、その媒体は問わない。」の部分が付け加わっているだけである。さらに言えば、「その媒体は問わない」、の部分は継続資料全体に共通のはずであるから、実質的に異なるのは、「一般に巻次・年月日を追って」の部分のみである。しかし、この部分は、旧規則で「巻次・年月日を追って」であり、巻次・年月日の存在を必須事項としていたのを、AACR2同様任意事項としたために修正した文言であり、いわば実質的な中身のない表現である。本来なくてもさしつかえない表現を添えることによって、あたかも物理的に刊行が継続されるというイメージを与えるものとなっている。このような定義の仕方は好ましくない。ISBD(CR)やAACR2にあるように、「issued in a succession of discrete parts」という物理的に分冊形式で継続刊行される、という表現を正面から盛り込むべきであろう。

「同一の本タイトルのもとに」は不要である。
 本タイトルは変化することもある。その場合でも逐次刊行物であり続けることには変わりはない。さらに本タイトルはない場合もありうる。そんな場合でも、継続刊行という条件さえ満たされれば逐次刊行物となるであろう。そもそも資料の定義に、「本タイトル」という特定のセマンティックスを用いて記述すべき事項を分析した結果としての、記述専門用語を用いるのがおかしいのではないか。このことは継続資料、更新資料にも当てはまる。

「その媒体は問わない」は不要である。
 定義は必要十分な事項だけを盛り込むべきであって、たとえ正しくても不要な語句を入れるべきではない。ただし、定義を終えたあと説明的語句で表現するのはよい。このような表現は、記述総則の箇所で、記述の章立て説明のあたりで盛り込むのがよいと思われる。例えば第2章から第13章の章立て解説を行うとき、第13章は区分原理が異なる、といえばよい。そうすれば自動的にあらゆる媒体に適用される、ということになる。

「出版物」(逐次刊行物)
 逐次刊行物は出版物に限定されるのか。非刊行物も扱うようであるから、この表現はあらためるべきである。

◎13.0 通則
「加除式資料」と「ルーズリーフ」の両方の表現が出てくるが、使い分けていないのなら、何れかに統一する必要があろう。
「なお,この章の条項が,逐次刊行物もしくは更新資料のみに関わり,継続資料全体に適用されるものでないときは,その適用範囲を条項内に明示する。」は
「なお,この章の条項が,逐次刊行物もしくは更新資料いずれかのみに関わり,継続資料全体に適用されるものでないときは,その適用範囲を逐次刊行物と更新資料とに分けて、条項内に明示する。」とすべき。

●13.0.0.1(記述の原則)
「記述対象を他の資料から同定識別できる範囲で」
「記述対象」と「資料」とが不整合。13.0.1では、「ある資料を他の資料から同定識別」という表現がある。「記述対象」を「記述対象とする資料」とすべきであろう。
 イ)「書誌的事項は,ISBDに基づく構成順位で,組織的に記録する。」
    ↓
   「書誌的事項は,ISBDに基づく構成順序で,組織的に記録する。」とすべき。

●13.0.1(記述の範囲)
「ある資料を他の資料から同定識別する」→「記述対象資料を他の資料から同定識別する」 とすべき。

●13.0.2.1(記述の対象)
「原則として継続資料の全体を記述の対象とする。」に関して
【参考】第1章 通則
 原則として、単行資料または逐次刊行物を記述の対象とする。また、複製物はその原資料ではなく、複製物自体を記述の対象とする。
ア)単行資料
イ)逐次刊行物
 「原則として単行資料または逐次刊行物を記述の対象とする」とあり。あらゆる資料は単行資料か逐次刊行物かの何れかだから、これはまさに同語反復。ただNCRでは、単行資料を単行書誌単位と取り違えているものと思われる。本当に言いたいことは、「原則として、単行書誌単位または逐次刊行書誌単位を記述の対象とする」であろう。これも実はおかしいのだが。現実には、1冊の本を例えば集合書誌単位と単行書誌単位の組み合わせで表現する。だからたとえNCRの原則通りの記述を行っても、記述の対象は単行書誌単位だけではない。正解は「単行書誌単位または逐次刊行書誌単位を記述の中心に据える」であろう。
 さて継続資料。今回はネットワーク情報資源をも含む。逐次刊行物は「その全体が記述の対象」は当然である。個々の号が固有のタイトルを持たなければ、基礎書誌単位は全体となるし、モノグラフシリーズの場合も、個々の部分ではなく全体レベルが逐次刊行物だから当然全体を記述することになる。しかし更新資料の場合はどうか。その「全体」とは何か。Webサイトのトップページのことか。「基礎書誌単位原則」はどうなるのか。どの部分を基礎書誌単位と認定するのか。

●13.0.2.1A(タイトル変更)
「変更」「変化」「変遷」これらの用語の統一した使い分けを考えるべき。

「書誌的記録を作成するのは,次の場合である。(13.2.1.3参照)」とあるが、
 (13.2.1.3参照)が該当するのは、ア)の場合のみである。

●13.0.2.2(記録の書誌レベル)
「継続刊行レベル」について
 基礎書誌単位が単行書誌単位と逐次刊行書誌単位とに分かれるわけであるが、逐次刊行書誌単位は継続刊行書誌単位に変更となる(用語解説)。
 もともと基礎書誌単位を、単行書誌単位と逐次刊行書誌単位とに分ける論理的必然性は存在しなかった。しかし基礎書誌単位の数量的な部分に着目すれば、分離が悪いとは言い切れなかった。しかし継続刊行書誌単位とは何か。そもそも単行書誌単位と逐次刊行書誌単位に関しては、それぞれ単行資料、逐次刊行物という「物」とストレートに結びつくという、勘違いがあった。
 単行レベル、および逐次刊行レベルというのは、基礎書誌単位として、両方とも「物理的な1点以上の最小書誌単位」という、絶対レベル(基準レベル)を指し示していた。集合、構成のように相対的な単位ではなかった。ところがWeb資源のような更新資料が入ってくると、絶対レベルを指し示すことができなくなる。一体どうするつもりか。またこの指摘は、電子資料におけるリモートアクセスにも当てはまる。

●13.0.2.3(継続刊行レベルの記録)
継続刊行単位
 「継続資料を記述の対象とするときは,継続刊行単位を記述の本体とする書誌的記録を作成する。その記録は,継続刊行単位,集合単位,構成単位の順とする。集合単位はシリーズに関する事項,構成単位は内容細目として記録する。継続資料は,原則として集合レベルの記録は作成しない。」
 逐次刊行レベルは、一応「各号に固有のタイトルがない逐次刊行物」に限定すれば、まだ何とか通用した。更新資料が入ってきたら、継続刊行書誌単位というのは、適用できなくなる。ISBDやAACR2では、書誌単位なかんずく基礎書誌単位という概念を作ってこなかった。更新資料が入り込んできた場合、そのことが結果として幸いした。ところが、NCRでは基礎書誌単位という「物と関連づけた」基準となる書誌単位を設定したがために、かえって身動きがとれなくなった。

●13.0.2.3
「集合単位のタイトルを共通タイトル、継続単位のタイトルを従属タイトルとしてもよい。」
 この規定は、13.1.1.1Bでは別法として繰り返されないので、見落とす可能性がある。

●13.0.2.3B
記載(出力)様式、記載(出力)形式、の表現形式をそろえてほしい。

●13.0.3.0(記述の基盤)
 逐次刊行物 初号主義のまま。
 更新資料  最新号
  しかし更新資料で「号」とは何か。
 iterationに対応する訳語を作らず、単に「号」としているが、そもそも更新資料の一つ一つの状態を「号」とは言い難い。それに逐次刊行物の「号」とは別物であり、混同される恐れもある。iterationに対応する用語を作る必要があるのではないか。例えば、「状態」とか。

●13.0.3.1(記述の情報源)
印刷形態の情報源優先順位の問題
ア)印刷形態の継続資料
(1) 表紙または標題紙のあるもの
@ 表紙,標題紙,背,奥付
A 当該資料の他の部分
B 当該資料以外の情報源
とある。もともとあった規定である。
 標題紙優先を貫かない理由が分からない。標題紙がなければ、標題紙に代わるものとして「表紙」を指定すればすむのではないか。こうすれば図書の場合と同様原則通りの扱いとなる。それに逐次刊行物の中には年鑑や白書、年次統計書などもあり、これらの場合は図書と全く同様である。ある種の雑誌に標題紙欠如が多く見られるからといって、逐次刊行物いや継続資料全体に表紙優先を押しつけるのは筋が通らない。

●13.0.3.1A別法
原資料を対象とする、という別法を設けた。これはなぜか。
 従来からタイトルと責任表示だけに関して、別法が設けられていた。これが格上げされて、通則段階でも別法が入り込んだ。なぜわざわざ格上げするのか。あるいは格上げではなく、形式的な扱いか。
 ISBDはもちろん、AACR2でも議論はされたが、結局この別法はない。

●13.0.3.2(各書誌的事項の情報源)
ア)タイトルと責任表示
 ここでも、やはり標題紙を表紙より前に持ってくるべき。

●13.0.4(記述すべき事項とその順序)
「記述すべき書誌的事項とその記録順序は,次のとおりとする。」とある。
しかし、これらをすべて記述せよというのではないはず。選択的に記述することになる。
とすれば、「記述対象となりうる書誌的事項」のような表現にすべきではないか。

●13.0.5 記述の精粗
ア)(第1水準)で、版表示がなく順序表示が採用されているが、これでよいのか。
●13.0.6.1(転記の原則)
転記の原則から、「順序表示」が外れている。
これにも当然転記の原則を適用すべきであろう。

◎13.1 タイトルと責任表示に関する事項
●記述の意義〜区切り記号法(13.1.0.0〜13.1.0.2)
記述総則をそのまま複製
13.1.0.0は若干文章表現を整理
  <誤植> 2行目 「責任表示などともに」→「などとともに」

●複製物の扱い(13.1.0.3)
ほぼ現行版のまま(「原逐次刊行物」→「原資料」など)
 別法(原資料優先)はマイクロ資料と継続資料にのみ存在
  これを受けて13.0.3.1A(情報源)にも別法

●部編の取扱い(13.1.1.1A〜B)
文章を明確化
 現行版
 「一つの逐次刊行物が、部または編に分かれて刊行されているとき…」(A)
 「部編名が共通するタイトルのもとに表示されず…」(B)
13.0.2.3別法、13.6.1.1別法との関連が不明確
例が増強された
  部編記号のある場合、ない場合

●複数のタイトル表示がある場合(13.1.1.1C〜D)
文章を明確化し、例を増強
 13.1.1.1Cの2つ目の例  「JJN」はタイトル関連情報では?
13.1.1.1C別法は「外国語のほうが顕著でも」という意味
 どちらが顕著ともつかないときは?
 ISBD(CR)
  まず、本文と同じ言語のもの
  ついで、タイポグラフィや表示順序で判断
13.1.1.1D 非印刷資料の規定を追加
  「表紙優先」は更新資料にも適用するのか?

●記録の方法(13.1.1.2)
13.1.1.2Aは新設。必要か?

●変化(13.1.1.3)
13.0.2.1Aを受けて具体的規定
  逐次刊行物・・・「重要な変化」なら新記録作成、「軽微な変化」は作成せず
 更新資料・・・新記録は作成せず、本タイトルを変化後のものに改める
この位置が本当に適当か?
  13.1.5.3 責任表示をも考慮する場合
  ISBD(CR)では通則の最後に規定
「重要な変化」と「軽微な変化」の定義(13.1.1.3A、B)
  現行規則は簡略
ア) 主要な語を他の語に変えたり、追加または削除したとき
イ) 語順に変化が生じたとき
  はじめて具体化されたことに意義(AACR2は1988 rev.以降徐々に)
  ISBD(CR)に準拠した規定
    「最初の5語」ルール(「欧文」)
    本タイトルに含まれる団体名の扱い
    冠詞・前置詞・接続詞の変化(軽微 エ 「欧文」)
   スペリングや単語の語形変化(軽微 オ 「欧文」)
   逐次刊行物の種別を示す語の追加・削除(軽微 カ 「欧文」)
   意味や主題の変化につながらない語の追加・削除・語順変更(軽微 キ)
   イニシアル・頭字語と完全形(軽微 ク)
   本タイトルと並列タイトルの入れ替わり(軽微 ケ)
 日本語のタイトルに対する基準の整備
   主要な語の変更・追加・削除、語順変更(重要 アイ)
     → 「先頭からn語目」といった基準は用いない
     → 「意味や主題の変化につながらない」のは軽微(軽微 キ)
   助詞・接続詞・接尾語の変化(軽微 ア)
   重要な意味を持たない記号が変化(軽微 イ)
     → ここだけ例がない
   逐次刊行物の種別を示す語の追加、削除、類似の語への変化(軽微 ウ)
   その他欧文と共通の事項
 「日本語」に対して「欧文」(「外国語」でなく)
 13.1.1.3A別法(現行版13.0.2.1B別法にもあり)
   「塩ビとポリマー」の例?
   別法の位置
     「重要な変化」の定義の別法とみればこの位置
     「軽微な変化でも新たな書誌的記録を作る」という別法の考え方も?

●資料種別(13.1.2)
現行版と変更なし
冒頭の「印刷資料」は他と合わせるなら「印刷形態の継続資料」では?

●タイトル関連情報(13.1.4)
「範囲」(13.1.4.1)
  記述総則(1.1.4.1)からそのまま複製
  「記述対象中の各著作のタイトルに対するもの」とは?
    → 記録の方法も示されていない
    → 逐次刊行物では、特に混乱するのではないか
「記録の方法」(13.1.4.2)の整備
  現行版は「それのかかわる本タイトルに続けて」
  並列タイトルとの関係を明記
   本タイトルに対するものは本タイトルの直後
   並列タイトルに対するものは並列タイトルの後
   並列タイトルがあるが、関連情報は本タイトルに対するものだけ
    → 並列タイトルの後
「2以上のタイトル関連情報がある場合」(1.1.4.2A)も明記すべきでは?
13.1.4.2別法「縮約または省略する」(現行版にもあり)
  記述総則にはない
  図書では「長いタイトル関連情報は注記する」(2.1.4.2別法)
   (書写資料、地図資料も同様)
   → 「省略」は第一水準を用いればできるはず。どうして別法が必要か?
タイトル関連情報の変化について明記

●責任表示(13.1.5)
「記録の目的」(13.1.5.0)
  記述総則(1.1.5.0)からそのまま複製
「範囲」(13.1.5.1)
  記述総則(1.1.5.1)からきているが、「編者をはじめとして」等を手直し
個人編者は原則として記録しない(13.1.5.1A)
 「逐次刊行物」を明記。更新資料には適用しない
 AACR2にもある規定だが疑問
  → 逐次刊行物一般において有効か?
以下、記述総則から複製
資料のタイトル中に表示される編者名等の繰り返し(13.1.5.1B)
記述対象になければ注記(13.1.5.1C)
2以上の個人、団体のあるとき(13.1.5.1D)
一つの責任表示に記述する個数(13.1.5.1E)
記録の方法(13.1.5.2)
  例を追加
  「内部組織名を省略しない」(13.1.5.2D) → 改善
変化(13.1.5.3)
  本タイトルが総称的な語の場合 → 本タイトルの範囲に責任表示をも含める
  本タイトルの変化と別のところに規定されるのはわかりにくい
   → 「変化」は通則のほうがベターでは?

◎13.2 版に関する事項
●版表示(13.2.1)
記録の目的(13.2.1.0)
  記述総則(1.2.1.0)から
  最後の文「出版・頒布等に関する事項で…」は1.2.0.0Aから
版表示とするものの範囲(13.2.1.1)
  第1文は記述総則(1.2.1.1)から
  ア)〜エ)は新設(特に継続資料でよく現れるもの?)
    このような例は記述総則にも図書にもない
    電子資料の改訂で現れたスタイル
    ISBD(CR)が同様の例示を行っている
版表示としないもの(13.2.1.1A)
  ISBD(CR)の規定とほぼ同じ
 巻次、年月次(順序表示に記録)
 情報源にない、資料の種別(一般資料種別または特定資料種別)
 定期的改訂、頻繁な更新を示す表示(頻度表示として注記に)
記録の方法(13.2.1.2)
  現行版のまま
変化(13.2.1.3)
  対象範囲や主題が変われば新しい書誌的記録を作成

◎13.3 順序表示に関する事項
「巻次、年月次に関する事項」から名称変更
  AACR2が "Numbering Area"

●順序表示とするものの範囲(13.3.1)
範囲(13.3.1)
  現行版から若干文言を手直し
  例示を差し替え
    「千葉大学社会文化科学研究」 年月次のある例のほうがいいのでは
  巻次・年月次とも表示がなければ発行年月日で代替(新設)
     年月次がないだけなら、発行年月日で代替しない
初号に巻次・年月次表示のないもの(13.3.1.1)
  現行版のまま
  ややわかりにくい表現 → 例示があったほうがよいのでは
2以上の表示方式(13.3.1.2)
  現行版では具体的記録方法 → 13.3.2.3に移動(すっきりした)
変化(13.3.1.3)
  これも現行版にあった具体的記録方法を13.3.2.4に移行
  「逐次刊行物」がゴチックになってないのは、「更新資料」と対でないから?
所蔵巻号(13.3.1.4)
  現行版のまま
  論理的にはおかしいが、実務上注記が必要か?

●記録の方法(13.3.2)
記録の方法(13.3.2)
  区切り記号や例示を示し明確化
  別法(出版年、頒布年等の使用)
    現行版どおり
    対照する本則がなく、やや唐突
その他の記録方式
  現行版の「範囲」条項に書かれていた部分を整理し、例示も加えている
    完結したもの(13.3.2.1)
    刊行中のもの(13.3.2.2)
    2以上の表示方式(13.3.2.3)
    変化の場合(13.3.2.4)

◎13.4 出版・頒布等に関する事項
●記録の方法(13.4.3.2)
更新資料の記録の方法が不明確→最後の一文が更新資料の記録の方法?
「ルーズリーフ」←「加除式資料」の間違い?
  最初の出版年と最後の出版年の説明が不十分ではないか。

◎13.6 シリーズに関する事項
●シリーズのISSN(13.6.5)
記述総則(1.6.5)を複製
ISSN以外の標準番号(URL,DOI等)についても考慮すべきではないか
  第13章で「ISSN」となっているところを「標準番号」に統一した方がわかりやすい。

◎13.7 注記に関する事項
●注記の種類(13.7.3)
下記の特定事項に属さない注記(13.7.3.0)
ア) ウ)は新設
イ)刊行頻度に関する注記
   「継続資料の刊行頻度」
←更新資料も含まれる
  刊行頻度に更新頻度を含めるということか?
  →そうであるならば、「刊行頻度」と「更新頻度」を同列にすることになり無理がある。
エ)は現行版のイ)

タイトルに関する注記(13.7.3.1)
 ア)イ)エ)キ)ク)はほぼ現行版のまま
 ウ)オ)カ)は新設

責任表示に関する注記(13.7.3.1A)
版および書誌的来歴に関する注記(13.7.3.2)
 逐次刊行物のタイトル変遷に関連する注記(13.7.3.2B)
  更新資料がタイトル変遷した場合どのような記録をすればよいのかわからない
  「逐次刊行物」を「継続資料」とすると吸収・分離について矛盾が生じるのか?
  更新資料に関しては分離・吸収は生じないことが前提
←たとえ分離・吸収が生じても別書誌を作成することで回避できる?

◎13.8 標準番号,入手条件に関する事項
●標準番号(13.8.1)
名称を「ISSN」から「標準番号」に変更

標準番号とするものの範囲(13.8.1.1)
 URI等の商業システムによる番号とは言えないようなものの場合はどうするのか?
  →やや限定的。記述総則(13.8.0.0)の範囲とすべき

●入手条件・定価(13.8.3)
記録するものの範囲(13.8.3.1)
記録の方法(13.8.3.2)
 定価をISSNに続けて記録する←ISSNがないもので定価のある物はどうするのか?

◎13.10 所蔵事項
●通則(13.10.0)
逐次刊行物に限定
 更新資料の場合、所蔵事項についてどのように記録するのか?
 そもそもウェブサイトのようなリモートアクセスについて「所蔵」という概念があるのか?

(記録文責:渡邊隆弘)