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整理技術研究グループ月例研究会報告

目録規則再構築の動向−GMDの取扱いを中心に:

整研勉強会報告(2)

蔭山久子、川崎秀子、河手太士


日時:
2004年10月23日(土) 14:30〜17:00
会場:
大阪樟蔭女子大学図書館学演習室
発表者 :
蔭山久子氏(帝塚山大学図書館)、川崎秀子氏(佛教大学)、河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
テーマ :
目録規則再構築の動向−GMDの取扱いを中心に:整研勉強会報告(2)
出席者:
光斎重治(武庫川女子大非常勤)、谷口美代子、土戸千晶(国立民族学博物館図書室)、堀池博巳(京都大学術情報メディアセンター)、山野美贊子(帝塚山学院大非常勤)、山本千恵(国立民族学博物館図書室)、吉田暁史(帝塚山学院大)、渡邊隆弘(神戸大図書館)、川崎、蔭山、河手<11名>

 本年度のテーマ「目録規則再構築の動向」に関して、6〜9月に行った勉強会の報告として、輪読した文献の紹介と、内容に関する議論を行った。扱った文献は、IFLA「国際目録規則に関する専門家会合」(IME ICC)の報告と、背景論文のいくつかである。
<参考URL>
http://www.ddb.de/news/ifla_conf_index.htm
http://www.loc.gov/loc/ifla/imeicc/

1.GMDに関するJSCの議論

 AACR2の合同改訂委員会(JSC)では、一般資料種別(GMD)によって章構成されている規則第一部の全面見直しを行っている。IFLA会合の検討材料(背景論文)となっているA. HuthwaiteとT. Delseyの提言について紹介があった。
・AACR2の規則0.24が改訂され、資料のあらゆる側面を記述すべきとなったが、第一部は依然としてGMDによる章構成であり、しかもその区分は排他的でなく矛盾が生じる。
・GMDごとに「主たる情報源」「規定の情報源」を定めているが、単一の原則とすることが可能かどうか、テストが必要である。
・Delseyは、「内容的記述」による章区分(テキスト、楽譜、地図など表現様式による区分)の後に「技術的記述」(印刷、デジタル、マイクロなど媒体・キャリアに関する情報)、「刊行形態」(完結・継続)、「非出版資料」、「分出と多段階記述」に関わる各章を配し、各区分原理を組み合わせた書誌記述を構想している。
 FRBRの「表現形」と上記「表現様式」との関係や、デジタル表現を「技術的記述」とすることの妥当性等について議論を行った。

2.「主記入」に関する議論

 第1回のIME ICCで背景論文とされたT. Heijligersの主記入に関する主張が紹介された。
 Heijligersは典拠コントロールの必要性と基本記入概念の必然性を主張しているが、両者の関係の捉えかたや基本記入を必然とする理由付けについて疑問があるとの意見があった。

3.IME ICCにおける諸議論

 第1回(フランクフルト, 2003)と第2回(ブエノスアイレス, 2004)のレポートが紹介された。
同会議には「個人名」「団体名」「逐次性」「マルチパート構造」「統一タイトルと表現形レベルのGMD」をそれそれ扱う5つのワーキンググループが作られ、討議が行われている。
このうち「表現形レベルのGMD」については、第1回会議でFRBRとDelsey提言を対照して、一定の評価を与えた。第2回会議では、GMDの目的の明確化と書誌情報での位置が問題となっている。
GMDと統一タイトルを同一WGで扱っている意図やWG構成が記述より標目部分に偏っていること、マルチパート構造と表現形・体現形の関係等について議論を行った。

(記録文責:渡邊隆弘)