整理技術研究グループ月例研究会報告(2007.12)
図書館目録の将来設計:
主題検索機能の提供を中心に
松井純子(大阪芸術大学)、河手太士(大阪樟蔭女子大学図書館)
- 日時:
- 2007年12月15日(土) 14:30〜17:00
- 会場:
- 東大阪市立市民会館
- 発表者 :
- 松井純子氏(大阪芸術大学)、河手太士氏(大阪樟蔭女子大学図書館)
- テーマ :
- 図書館目録の将来設計:主題検索機能の提供を中心に
- 出席者:
- 井上雅美(システムズ・デザイン)、猪俣裕子、蔭山久子、川崎秀子(佛教大)、佐藤毅彦(甲南女子大)、末田真樹子(神戸大学生)、田窪直規(近畿大)、田村俊明(大阪市立大学術情報総合センター)、韓相吉(韓国・大林大)、堀池博巳(摂津市施設管理公社)、村井正子(日本アスペクトコア)、山本知子、吉田暁史(大手前大)、渡邊隆弘(帝塚山学院大)、松井、河手 <16名>
2007年度のグループ活動を踏まえたうえで、図書館目録のあり方や将来について、国内外で行われている近年の議論を整理し、これからの図書館目録に求められているものを考察された。
- 1.図書館目録を取り巻く状況
- 2.Googleの影響
- 3.利用者の目録離れ
- 4.なぜ利用者はGoogleを好むのか?
- 5.OPACの発展
- 6.OPACの機能改善への要求
- 7.目録の専門家による危機意識と問題提起
- 8.図書館目録の再設計(1)OPACの機能改善
- 9.図書館目録の再設計(2)図書館ポータルサイトの見直しとナビゲーションシステムの構築
- 10.まとめ
- 前半部(上記1.〜4.)では、ウェブの普及、とりわけGoogleに代表される検索エンジンの隆盛が図書館利用者の行動に与えた影響とその理由について考察された。Google対図書館目録という観点から、図書館目録への危機感が提示される状況に至っている。
- 続いて(上記5.〜7.)、OPACの発展状況と機能改善に関する議論が整理された。1970〜80年代にブール演算を用いた事後結合検索が可能になって以降、検索機能の改善に関する議論や提言はあったが、十分な実現はなされてこなかった。そしてここ数年、専門家の間から危機意識を背景とした問題提起が相次いでいる。検索エンジンとの競合を抜きにしても、OPAC自体の機能上の問題があり、それに書誌コントロール政策・目録政策の問題が絡み合っている。
- 後半部(上記8.〜9.)では、今後の改善への展望が整理された。OPACの機能改善としては、主題検索を中心とする検索機能の充実や、総合目録の充実、特殊コレクションの目録化、といったことがある。また、Web2.0の潮流の中で、図書館ポータルサイトの見直しやナビゲーションシステムの構築も重要である。
*本発表内容をもとに、2007年度日本図書館研究会研究大会(2008.2.17)発表を行う予定。
*月例研究会終了後、布施「神楽」にて忘年会を開催(参加者11名)
(記録文責:渡邊隆弘)