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今年度の日図研研究大会(第60回,2019年2月16日)で行う予定のグループ研究発表について中間報告を行い、その後意見交換を行った。
現代の図書館情報学において「書誌コントロール」は重要なキーワードとなっている 。しかし、この「書誌コントロール」は多義的な概念であり、研究者によって意味するところが明確に異なる。本発表では、図書館界において「bibliographic control」およびその訳語である「書誌(的)コントロール」「書誌(的)調整」という用語がどのような意味合いで用いられてきたかを検証し、図書館用語としての「bibliographic control」の実態を明らかにすることを目的とする。研究手法は文献調査である。
1946年にアメリカにおいて初めて「bibliographic control」という用語が用いられた事例を踏まえ、先行研究をまとめる形で、1850年代から1960年代までのbibliographic controlの事例およびbibliographic controlという用語とその概念に関する議論の歴史について振り返った。
先行研究をまとめる形で、アメリカ的な書誌コントロールの思想が本格的に日本で受容された第二次世界大戦敗戦後の占領期から1998年までのbibliographic controlという用語とその概念の歴史について簡略に振り返った。
戦後日本において書かれた雑誌論文の類および、現代日本において読まれている主要な概説書・教科書・専門書の類13冊、主要なハンドブック・辞典の類3冊を調査し、「書誌(的)コントロール」「書誌(的)調整」という用語の定義について調査した。
現代の欧米において読まれている主要な概説書・教科書・専門書の類6冊、主要なハンドブック・辞典の類3冊を調査し、「Bibliographical control」という用語の定義について調査した。
発表者は上記の調査結果を踏まえた質疑応答を行い、いくつかの提言を行ったが、その内容は第60回研究大会での発表と重複するため、ここでは簡略な記録にとどめた。詳細は、『図書館界』71巻2号掲載予定のグループ研究発表論文をご覧いただきたい。
(記録文責:今野創祐(京都大学))
参考文献:
今野創祐「日本の図書館界におけるbibliographic controlの訳語とその概念の多様性」
『同志社図書館情報学』No.27, 2017.11, p.95-114.
https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/25847/?lang=0&mode=0&opkey=R153028150027049&idx=2